昨日はアメリカがお休みだった。夜にアメリカがやっていないということで、日本株は大きく上昇した。これはいつものパターンである。トレーディングに供されるフローは、そのほとんどがデイライトのポジショニングである。つまり朝に株を買って、その日のうちに手じまいの売りをだすというもの。
ポジションは翌日には持ち越さない。なぜならばトレーディングでの売買なので評価損にはたいへん弱い。だから夜間に変動して評価損を膨らますことのないように、不必要なポジションは待たないようにするためだ。むろん海外市場のおかげで良い結果になることもあるのだが、リスク回避を優先させるのが常道だ。
そうした状況の中ではアメリカが休みだと夜も持っていてよいことになる。ポジションをカットする理由がないからだ。そうなると日中に作ったポジションはそのまま保有され、次の日も楽しめることになる。それがアメリカが休みの時は日本株が上昇する理由だと思われる。
そうしたわけで海外市場ではアメリカの参加者が少ないということもあって、実に小動きだった。ユーロドルは1.03台まで押した後のマックス戻り高値を実現しているが、それでも値幅は少ない。ユーロが買われた要因には本邦勢によるユーロ円の購入が大きい。ユーロドルは1.08台に迫っているが、この辺からちょっと売っていってみようと思う。
そもそもドルのバリュー調整が進んでいるのは、FEDのメンバーの一人が9月は利上げ見送りもなどと言いだしたからだ。何か調整の理由を欲していたマーケットが、それに飛びついた格好なのだ。しかし9月にまったく見送りにするくらいならば、6月7月会合で50ベーシストいう選択肢はなくなるはずである。
なぜならFRBはハードクラッシュを望んでおらず、あくまでもソフトランディングありきだ。9月に見送るくらいならば、6月、7月を25ベーシスずつ上げて、9月も25ベーシス上げる方を選ぶだろう。目先50ベーシス上げるというのは、それでも到達点がまだ遠いと言うことを意味している。事実、2回利上げをしたといっても、まだ依然として政策金利はゼロ金利の水準なのだから。
その緩んだところの金融緩和期待というのが、つけ込みどころである。今もニューヨークの街の中ではランチに食べるサンドイッチが3000円もするのだから、インフレ抑制は時間が経てば立つほど深刻になるだろう。中絶問題などに関心はそれてしまっているが、デモ行進が起こってもおかしくはない状況である。FEDメンバーがちょっとでもタカ派に見える内容のことをしゃべると、市場は一気にそちらに傾く可能性が高い。
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