先週は各国中銀の利上げラッシュがあって、世界的に株価は下がって、今年の最安値水準まで下落した。これはインフレ撲滅のために利上げしていると言うことであれば、予想される出来事でもあった。ただ期待されていたペースよりもかなり速いということが市場を驚かせた。まだ利上げは端緒についたばかりであり、年内にはFF金利は3.25%まで上げられるものと考えられている。
3.25%といっても、まだ中立水準には遠い。そもそも3年前までは2.25%だったのだ。そこへ対中貿易の交渉のために予防的ということの利下げで75ベーシス、そしてコロナ対策で150ベーシス利下げしているのだから、3%台まで利上げしてもインフレ対策にはならないのだ。
そうした中で日銀の金融緩和へのこだわりには目を引くものがある。黒田総裁の会見の中でもいまだにデフレという文言が出てくる。デフレと不況を混同しているのかもしれないと思えるほど。それでドル円は132円台まで円高が進んでいたのに、135円台まで巻き戻すこととなった。
よく言われるように景気をとるか物価高をとるかの選択に迫られているわけだが、スイスが利上げに舵を切った以上、景気の腰折れが心配で仕方がないのは日本だけだと言うことになる。
ともかくもドル円の135円台からの買い上げには根拠が伴っているとはいうものの、なかなかに困難がつきまとう。どうしても調整売りが激しく出てしまうからだ。ここはスモールで対処するしか方策はなさそうだ。最終的に140円台まで行くとは思っていても、持ちにくいポジションなのである。
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