昨日はFEDのメンバーたちの発言で、ドル金利は下げ止まった。インフレ撲滅のためには現行の利上げペースでも間に合わないかもしれないとしたものだ。たしかにインフレターゲットを2%に抑えるとしてるのに、CPIレベルは7%とか9%で推移しているのだ。ぜんぜんターゲットからはほど遠い。
よく考えて見ると、来年もずっと50ベーシスずつ利上げしても、それでも追いつくかどうか。そういう見直しが入り、ドル金利は大きく反転・上昇した。それにともなってドル相場も切り返し、上昇に向かった。
アジア時間ではペロシ下院議長の台湾訪問が懸念されて、ドルの全面安を呈していたところからの反転だ。ドル円は130円台のミドルまで差し込んでいたのに、ドル金利の上昇によって133円台まで巻き戻したのだ。そしてドル相場は高値引けで終了している。
私も毎日の事なので、アジア時間ではドル円をショートで攻めてみた。それで幾分かはポイント数を稼げたのであるが、いちおうドル円のショートカバーには注意を払っていた。ドル金利が上がると考えていたわけではない。気になるのはペロシ下院議長の件である。台湾に着くまでは何が起こるかわからない。
だからそれなりのリスク回避も起こるであろうが、もしも無事に到着して台湾の高官と会見に臨むとなると、一気に不安材料は取り除かれてしまうのではないかと恐れたのだ。もちろん中国側も何かのアクションを起こすだろうが、決定的な策には出られないないだろう。短期的にもドル円のショートは溜まってきている頃合いでもあるので、過剰に反応してしまう可能性がある。
結局はペロシ議長よりもドル金利の上昇のほうが影響が大きかった。マーケットにはやはりドル金利の低下も行き過ぎではなかったのかという思いもあったのだろう。今日はドル相場の戻りがどこまでなのかを試されることになる。もちろんドル金利の行方にもよるが、これでちょっとドルの下攻めはやりづらくなったのも確かだ。
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