昨日もドル相場の見直しが強まった。とくにニューヨーク時間でのドルの買い上げはひどくて、ドル円は135円台の後半まで上がってきて、そのまま高値引け。ユーロドルも1.01台を割り込んできて、1.00台の後半まで押し込まれている。
年末までに短期金利ベースで3.5%まで上がることが見込まれてはいるが、とてもこれでは足りないというのが再認識された格好となった。ドルの短期金利のストリップ、短期金利の先物価格を限月ごとに並べたものだが、これを見ても、来年の後半における利下げ予想は消滅しつつある。
原油価格が80ドル台まで下がってきたからと言って、それでインフレが収まったと考えるのは早計なのである。高いレベルに目が慣れすぎていたために安く見えるだけなのだ。依然として飛行機の燃料サーチャージなどは過去最高を更新している。ドイツでは来年のガス代は3倍になるだろうとの試算も出ている。末端の物価に反映されてくるのは、これからなのである。
ドルは当分、押し目買いでよいだろう。無理して高いところを買って行くことはない。じっと待っていれば拾えるチャンスはあるものだ。
ところで日経先物はナイトセッションを通じて、再び29000円台に乗せてきた。今週の高値は29230円であり、昨日の高値は29140円である。そしてもっとも重要なのが今年の最高値であり、それは29375円である。当面の目標は29375円になるわけであるが、その手前には相当の売りものが並ぶことが予想される。
そこは今年の最高値圏だからテクニカル的にも売りシグナルのいっぱい出る場所だ。しかも今年のもっとも景気のいいタイミングだという覚悟を持って臨むことが必要である。ここを買って行く人は、今年の中で今がいちばん景気が良いと思っているはずだと言うのがファンダメンタルズ面からの要請である。ウクライナ紛争、コロナ感染の拡大、物価高によるインフレ高進。これら今までになかったことに抗ってでもである。
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