ポンドの調整が激しい。週初には1.03台まで沈んだポンドドルだったが巻き返してきた。トラス英首相が財政支出に拘ると言ったのに反し、政権支持率は急落している。インフレには困っている国民なのだが、財政に付加をかけるやりかたには不満なのだろう。
野党の労働党の支持率が急上昇している。それを受けて今回の財政案もかなり骨抜きになるのではないかという観測もあって、行きすぎたポンド安の調整が起こったものと思われる。ポンドは独歩高であり、ユーロポンドも0.92台から0.87台まで下がっている。
ポンドの調整色に比べると、ユーロの戻しは甘いものがある。0.95台から250ポイントしか戻していない。冬場をひかえてエネルギー価格の一段の上昇も見込まれ、ドイツを中心とした欧州圏のインフレ懸念が高まっているのだ。それにもかかわらず次回のECB理事会では積極的な利上げに出てくる見込みも少ないため、ユーロが相対的に低金利の位置に置かれていると言えるのである。
さらに動きが鈍かったのが、ドル円である。昨日は80ポイントほどしか動かなかった。日に日に値幅が小さくなってきている。それでも高値圏にステイしているままだ。介入の恐れがあるので、145円台までは上がらない。かといって安いところを売り込んでいくほど円ブルにはなれないと言ったところだろう。アセンディング・トライアングルの形なのだから、いずれ上抜けして一段高するのは時間の問題のようにも見える。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)