昨日はPPIで盛り上がるかと思っていたが、結果的にはポーランドへミサイルが着弾したことが大きく取り沙汰された。しばらくウクライナ問題に対して、鈍感になりつつあったからでもある。そしてヘルソン州からの退却など、ロシアの攻勢が弱まってきたように見えたところでもあった。
ミサイルはどっちが撃ったにしても、戦局を変えるには絶妙の一手と言えるだろう。NATO側がどう反応するのか。また戦争を継続する上でのレッドラインはどこまでなのかを見極める上でも、政治的な側面も含めて今後の動向が注目される。
ドル円はアジア時間を通じて139円台での推移が続いた。しかし市場予想を下回るPPIが出たおかげで、近い将来の金融引き締め停止観測が強まった。それでもまだ年換算でプラス8.0%もあるのにだ。
ここで手を緩めたら、またインフレ再燃を助長しているようにも見えるのだが。それでもとりあえずマーケットは素直に反応して、ドル円も2円弱の下落で、137円台まで突っ込んだ。同時にユーロドルも1.04台の後半まで進んでいる。
しかし時間の経過とともに、ドル円はすぐに138円台を取り戻し、チョッピーな動きを繰り返しながらも139円台まで回復する至った。それだけドル買い需要の高さを見せつけた局面でもあった。ドル安には無理があるようにも見えた。
そこで出てきたのがポーランドでの話しである。まだ詳細はわからないが、死傷者が出ている模様ということで、一瞬の緊張感が漂った。ユーロ売りということでユーロドルは1.02台まで差し込んだ。しかし状況をもっとしりたいということで、マーケットの不安定さも2時間ほどでおさまった。
それにしてもNATO域内が攻撃されたことに関して、やはり国境近くだから誤差の範囲内ということでごまかすのだろうか。戦闘と言うことになったら、自動的に第3次世界大戦が始まってしまうので、なんとしても避けたいところだ。
満州事変や日華事変のように、あれは戦争ではない、個別の事件なのだと言い含めるのだろうか。それともポーランドやバルト3国に自主的にNATOから出て行ってもらうのか。空論が先走ってきた集団安全保障も、その進化が試されるときがきたのかもしれない。
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