昨日は朝からドル買いが強まった。それは年末年始において円金利の上昇観測が強まった事への反動のようなものであった。しかしドル買いは長くは続かず、東京時間では重たい展開となった。欧州序盤では再び129円台に突入した。
やっぱりドルの上値は重いのかと思っていたところ、ニューヨーク時間の午前中までにドル円は2円近くも上昇した。その間にユーロドルは依然としてここ最近のコアレンジにスタックしたまま。
昨日のFOMC議事録では、新しい発見と言えばメンバーの誰もが来年の利下げを見込んでいないということであった。今回の利上げの対象がインフレ対策であることを考え合わせると、当然と言えば当然の事である。
目先の物価が元のレベルにまで戻らないにしても、少なくとも物価は下落を始めないと行けない。物価上昇のペースが緩んできたというだけでは、まだまだ物足りないのである。しかるにインフレ撲滅には時間がかかる。途中で止めて、また利上げを開始するとなると、痛みは倍増するだろう。
これはちょうど5Gの議論によく似ている。まだ5Gが完全に起動に乗っていなくて、これからどうやって普及を進めていくのかが問題なのに、もう6Gベースの規格をどうしようかとか誰が主導権を持つのかを心配している。まずは5Gを使いやすいようにする方が先決だろう。
景気の後退ばかりが懸念されているが、まだ後退していない。雇用は逼迫している。実際に景気が悪くなってから、利上げの副作用を考えるべきだろう。まだ利下げを織り込むには尚早なのである。
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