昨日は材料が少ない中、マーケットでは期待だけが先行した。期待というのはインフレの沈静化と中国の景気回復である。それによって米国株は堅調、ドル金利がゆっくりと低下傾向をたどるとともに、ドル相場もやや軟化した。米国株の代表であるS&P指数は4000ポイント間近まで買いを集め、ユーロドルは1.07台を一度も割り込むことはなかった。
ここ1週間で期待方向のポジションが相当に積み上がったものと思われる。しかし期待通りになるのか。中国のゼロコロナ政策の解除は経済回復に結びつくほうにばかり目がいっているが、コロナがまん延してしまうということにもなりかねない。経済を回そうとした政策転換が、帰ってコロナ禍を拡大・長期化させるかもしれないのだ。
またドル金利の利下げ期待も甚だしい。すくなくとも額面ではパウエル議長は高金利状態での長期化を示唆している。またインフレというのはものの性質上、短期で収まらないものである。そして肝心なのは米国内の景気減速がまだ明確になっていないということである。今年はスローダウンするというのも、また期待だけなのである。
今晩はそのCPIが出る。事前の予想では前年比はインフレペースが減速するものと見込まれており、前月比でもマイナス領域とされている。はたして予想通りであっても、そのまま金利安・株高・ドル安と都合の良い方に向かうかどうか。面白みとしては、その逆方向にポジションを傾けるほうが大きく取れる可能性がある。
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