日銀がYCCの一環として国債の大量購入をしている。週の後半で購入した規模は過去最大だということだ。しかし無制限の指値オペだという割には、あっさりと0.5%の上限を超えてしまっている。無制限ではなかったのか。国債の売買市場でビッドを出しているはずではなかったのか。
外側が出会っていたりする以上は、無制限ではないのは論理的に明らかだ。もうそろそろ「無制限に」という文言をやめるべき段階に来ているのかもしれない。今週の日銀会合でサプライズがあるとしたら、それかもしれない。
一方で海外では国債に対して違ったアプローチをしている。イギリスは昨年9月に無理な財政政策で市場を混乱させた際に、国債を大量購入してパニックをおさめたのだが、先週になってその購入分をすべて売り払ったと表明した。通常化したことの宣言である。
またアメリカではいつものことだが、また19日に債務上限が訪れることが話題となりつつある。こうなってくると日銀も国債を買い続けることはできなくなるのも時間の問題であろう。
先週の金曜日にはドル円は127円台まで突入した。今年に入ってからのドル円の下落は、ドル金利の上昇圧力が低下したことによるよりも、むしろそうした日本円の金利高要因のほうに重点が置かれているようである。とくに水曜日に日銀会合が控えているとなっては、むろんポジショニングも円ロングのほうに傾けたくなるのが自然であろう。
日銀の会合では黒田総裁の発言も含め、従来のものと違った見解が出るはずがない。同じことの繰り返しに拘るであろう事が見込まれている。しかしYCCの扱いもそうだが、マーケットが期待するのはさらに先である。期待を妙にあおるような事になってしまうと、ドル円も勢いで120円近くまで下がってもおかしくはないのである。
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