昨日は景況指数が並ぶ日だった。ドイツ、イギリスに続いてアメリカのPMI。とくに昨今は景気後退の懸念が薄れているので、かえって景気の上振れが気になるところ。景況感が良ければ、現状の金融引き締めでは足りないと言うことになり、引き締め時期の長期化どころか、ターミナルレートの増大にもつながるのである。
予想されたことではあるが、ドイツもイギリスも景況感は良かった。それで欧州債は売り込まれ、長期金利は上昇した。同時に米国債も利回りがやや上昇。米ドルの長期金利が上がりきらなかったのは、小売りの代表格のようなウオルマートやホームデポの決算が芳しくなく、見通しガイダンスも悲観的なものだったので、それが景気後退によるリスクオフを想起させたようだ。ドル円も134円台の後半で高値張り付きのまま。
そこで出たのがアメリカのPMIだ。サービス部門での雇用逼迫を反映してか、指数は50の分岐点を超えてきた。これだけ景況感が良いのならばということで、米ドル金利の上昇も弾みが付いた。短期金利の水準も昨年も最も高いレベルにまで押し上げられた。
ドルはすぐに買われてドル円などは135円台を突っかけたが、あまりにもドルロングが溜まっていたようで、すぐに振り落とされてしまった。私もドルロングにして攻めたてたのだが、多くの人と同じで早々に撤退を余儀なくされた。
今晩は経済指標が少ない。今月になって確かめられたインフレの増進と景気の過熱感。これに対していよいよドル金利もフレッシュゾーンに入ってくるのかが見ものである。FOMCの議事録が出るが、その中で利上げ幅縮小に反対するメンバーの意見を聞いてみたいものである。果たせるかな、その通りに運んでいるのだから。まさか次のFOMCで利上げ幅の再拡大をするわけにもいかないだろうし。
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