みなさん、新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
■トレンドがはっきりするまで、もう少しもみ合う展開か
このコラムで「クリスマス以降は年明けに向けて取引が活発化し、スタートダッシュしてくるかもしれない」と何度かお伝えしてきましたが、どうもそのような動きにはなっていないようです(「動き出すのはクリスマス以降か?ユーロ安は1.26~1.27ドルが下値メドに!」などを参照)。
欧州の財政問題は根が深く、何も解決していないのですが、これをきっかけにして仕掛けるには新規材料に乏しいということでしょう。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/ 円 日足)
1月5日発表の米ADP雇用リポートを受け、大きく米ドル高が進むことになりましたが、トレンドがはっきりしてくるまでは、もう少しもみ合うことになるのかもしれません。
とりあえずは、1月7日に発表される米国雇用統計に注目しておきましょう。市場予想は、非農業部門雇用者数が15万人増、失業率が9.7%となっています。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
このようなところが、目先の相場の見通しです。
■2011年、世界経済は回復基調に向かう!
さて、新年ということで、今年1年の相場についても考えてみたいと思います。
2010年は二番底がやってくるという予想が根強く聞かれましたが、結局、そのような動きは見られず、強弱マチマチとはいえ、先進国の経済状況は落ち着いています。
そして、2011年ですが、今後、世界経済が回復基調に入っていくのか、それとも、数年間にわたって続く低迷期の最初の1年となるのか、まさに瀬戸際に立たされていると考えています。
今のところ、私自身は前者のシナリオ、すなわち、これから世界経済が回復基調に入っていくと思っています。最大の理由はやはり、中国やインドを代表とする新興国が世界経済を引っ張っていくと見込まれるからです。
また、新興国経済の拡大が資源価格を押し上げ、豪ドルや加ドルといった資源国通貨は堅調な動きを見せると思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/加ドル 日足)
■不確定要素が数多くあり、柔軟に対応する必要がある
ユーロに関しては、財政問題が解決していないことがネックであり、基本的には売り圧力がかかるでしょう。財政再建を進めることで、経済成長が妨げられてしまうことも売り要因です(「アイルランドはギリシャと同じ運命をたどる可能性。ユーロにはまだ下落リスクがある」を参照)。
ただ、欧州版IMF(国際通貨基金)の創設を計画するなど、今回の問題をきっかけにして、ユーロは、安定した通貨になるために試行錯誤している状況です。このあたりの見通しが立ってくると、ユーロは強固な通貨になる可能性もあり、今後の動向をしっかりと見る必要がありそうです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ドル相場については、はっきりとした先行きはわかりにくいのですが、世界経済がしっかりしてくると、米国が出口戦略を意識する可能性もあるでしょう。そうなると米ドル安が進む可能性は低くなり、むしろ米ドル高に向かう場面があるかもしれません。
全体的にはこのような相場をイメージしていますが、不確定要素が数多くありますから、複数のシナリオを頭に入れながら、経済指標などを見て柔軟に対応していく必要があると思います。
ただ、今年前半は以前からお伝えしている欧州、とりわけユーロの問題が注目されるのではないかと思っています。
それでは、今年も1年間よろしくお願いします。
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