中東情勢の先行きが不透明感を増していて、マーケットが不安定になっているせいもあるが、ドルの弱さが目立ってきた。いままで続いてきた中東の秩序事態が、アメリカ帝国を成す一環だったのだから、中東のデモは民主化につながるといって、米当局は本音の部分では喜んではいられないはずだ。
アメリカの正義が通じなくなる、そしてドルという通貨の信認が減退する。どうも、そうした構図で動いているようだ。中東には米ドルに価値をペッグさせた国が多いので、ドル安の進行は今回の騒動の国々の経済を悪いほうに直撃する。
ドルの弱さの上に、最近、連発しているユーロの利上げ期待。昨日はイギリス中銀の議事録の公開で、委員のうち3人までもが利上げの賛成派になっていたことが明らかになった。早晩、ポンドやユーロは利上げを余儀なくされそうだ。原油価格が100ドルをつけたのは象徴的な出来事で、インフレ抑制を最重要視するヨーロッパでは、そろそろ放置できない外部環境に変わりつつあるようだ。
そうなるとユーロドルのロングの魅力がわいてくる。ただしここから上を買っていくには要注意となるテクニカルポイントがたくさん存在している。ユーロドルでは今月2日につけた高値である1.3862、あと100ポイントほどで、今晩にもブレークするかもしれない。次には昨年11月の高値である1.4282だ。もちろん間の1.4000などもサイコロジカルな場所として相当にもむことになるだろう。
ユーロ円では、今月の高値は114.18が22日の早朝についており、これもユーロドルの値動き次第では、簡単に突破する可能性もある。そして昨年の秋に115円台のミドルでダブルトップをつけたところが最重要ポイントになるだろう。またそこでひっかかるようであれば、円高方向に引き戻されて、ドル円も80円割れを迎えることになるのだろう。
そういうわけで、私は本日、朝からユーロドルをロングにしてみた。1.3740で。いかにも高い。いくらでも安いところで買うチャンスはあったのに…。しかし目指すは1.40台乗せなので、ここから先の250ポイントを考えよう!
今晩も経済指標の効果は薄いであろう。注目はやはり中東の動向である。そしてそれにつられての原油高と株安の行方である。避難先としてのユーロの価値も上昇してきている感じもする。
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