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西原宏一_メルマガ取材記事
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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

ドル円安値更新までにサポートもたくさん、
でもあとちょっと

2011年03月16日(水)20:13公開 (2011年03月16日(水)20:13更新)
持田有紀子

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 為替市場ではドル円が相変わらず昨年来の最安値付近につけていて、緊張感のあるレベルにいる。しかし昨日はなんといっても日本株が大幅に下落し、他のアジア市場や欧米市場にも大いに波及していったことが、金融マーケット全体にリスク回避一色のムードをつくっていった。

 なにしろ日本から出てくる原発トラブルの情報は、事態をどんどん収拾できない方向に動いているのでは?と思わせるものばかり。昨日の日本株のように一気に40兆円が飛んでしまうような下抜けが、ドル円でまだないのが不思議なほどだ。

 昨日の欧州市場の序盤、ちょっとは欧州株は反転しそうになった。しかしそれも束の間。どんどん下落が進んでいった。ドル円は81円台、ユーロ円は113円台を辛うじてキープしていたが、いつ大台割れの方向に転げ落ちていっても不思議でない感じとなった。ただ株価もここまで売られると、そのショートカバーも恐ろしいものだ。

 私はリスク回避の動きに乗じて、ユーロ円の売りを考えていたが、ショートカバーともなれば、ユーロ円も上がってしまうだろし、ポジションを作ったと思ったらすぐに御用!っていう絵が浮かんでしまう。ユーロ円は112円台を何度か触っていたのだが、怖くてなかなか手が出なかった。

 でも何もしないとはよくないと思い、先にロスカット注文を113.35において、ようやく112.90でユーロ円を売ってみた。ドイツではクリーンエネルギーということで、原発推進への反対派を抑えてきた流れが大きく変わる可能性もある。とりあえずリスク回避で反応しそうなのだが。だが地震が起こる前まではリスク回避へ傾きそうになっても、すぐに反転という動きを金融マーケットは続けていたので、どこまで続くかわからない。

 そう思ってすごく警戒して見ていたが、欧州のランチタイムに向かうあたりで、ユーロ円は112円台前半まで下落し、次の瞬間には112円台を割れた。しかし111円台をつけたものの、すぐに112円に戻ってくると、112円台前半に留まり続けた。そこで半分だけ利食って、もっと進むかもしれない場合を考えて、様子を見ることにした。

 ニューヨーク市場が始まると、米国株は戻り歩調な感じだ。そうしていると、またまた大きめの揺れが襲ってきた!あまり気分も良くないし、ユーロ円は112円台ミドルだったが、残りを全部クローズすることにして、とっとと寝ることとした。

 

 本日もドル円は80円台ミドルのままでスタートした。盛んに朝から日銀がレートチェックしていたようで、だんだんとドル円は81円台に上昇したが、また!福島原発での「白い煙」の話しが伝わると80円台に落ちてきた。そしてゆっくりと昨日の安値80.60近辺まで近づきつつも、小動きを続けている。今晩はアメリカのPPIが出るが、日本の地震でインフレ懸念もちょっと後退しているため、あまり注目はされないだろう。そもそも4月に利上げをすると見られていたECBも見送る可能性すら出てきた。

 ドル円は今年の安値が今週の80.59近辺、そして金融危機後の最安値が昨年の80.21近辺、さらにサイコロジカルとしての80円ちょうどはなかなか強力そうだし、歴史的な安値は79.70である。近いけれどもゆっくりしているのは、こうしたものが並んでいるからだろう。ただ株式市場に比べると、まだとてもおとなしいドル円相場が同じように動くとなると、かなりのインパクトだ。その際にはついていかねば!である。


日本時間20時00分
 


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