昨日の為替相場は小動きだった。ドル円は私のにらんだ通りで、80.50から91.50をコアとする想定レンジからはみ出ていない。まったく面白くもない見通しだけは、その通りになってしまうものだ。私としては80円台でドル円をロングにすることもできたし、81円台でショート転することもできた。値幅は小さいのだが、地裁は小さいなりに、こうして稼いでいくしかないのだ。
しかし介入といわれている状況のなか、肝心の円相場のほうがおとなしくなるのは、なんだかおかしい気もしてならない。これは前回9月の介入の時もそうであった。ずっと85円台をちょっと割り込んだあたりから85円台の中盤までの、1円ほどの高値張り付きで動かなかった。
まあ、しばらく2週間ほど、すなわち日本企業の買い系年度末をまたぐまでは、こうした展開が続くと思って身構えたほうがよさそうだ。またどちらかに走り出したら、その時はその時で新たに作戦を構えることにしておけばよいだけのこと。
だが、他の通貨には動きが見られた。といってもドル円と同じで値幅は小さい。ユーロドルは今年の最高値を更新してきて、若干の買い戻し注文を巻き込んだものか、1.4250まで上昇した。この後は昨年11月に付けた戻り高値である1.4280近辺が気になるところだ。ユーロの上昇はここ2、3週間続いている傾向だから、あまり特筆すべきでもないのだが、昨日はポンドの上昇が顕著だった。
イギリスのCPI(消費者物価)が少しだけであるが、マーケット予想を上回ったため、ユーロと同様にインフレ懸念が醸し出され、これまた利上げ期待に支えられた格好になった。金利はいずれは上げないといけないものだし、そのうえコモディティ価格の高止まりも十分な理由を与える。それでもひさしぶりのポンド発の材料だけに、ディーラーたちは飛びついたようだ。
さて今晩も材料少ない。また中東情勢の進展と原発問題に中止するのみである。ちょっと気になるのは、最近忘れられかけているリビア以外の中東諸国。シリアやイエメン、ヨルダンなどでもだいぶきな臭くなってきており、反体制デモも活発化している。それに応じて原油価格も105ドル台まで戻してきており、これが最大の外部要因として景気の腰折れ要因となって、リスク回避の主因となりうることだ。
ドル円はレンジ相場に徹することにして、株式相場が崩れそうな感じだったら、ユーロ円などをショートにしてみたいものだ。昨日上げたポンド円のショートでも面白いかもしれない。
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