一時、ユーロ/円は121.84円、豪ドル/円は89.60円まで高騰しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 1時間足)
先週のコラムでご紹介したように、ユーロ/円は125円へ向けて上昇を続けているといったところです(「ユーロ周辺国の混乱にも関わらず、なぜ、ユーロは上昇しているのか?」を参照)。
■対円だけ、米ドル高傾向となっているワケは?
前述のように、FOMC後は米ドル安がさらに進行していますが、注意したいのが、米ドル売りの対象通貨です。
まず、G7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)による協調介入を行使して、「米ドル安・自国通貨高」を抑制しようとした円です。
4月27日(水)のNY市場では、対主要通貨で「米ドル安」が進む中、米ドル/円だけは突然「米ドル高」が進行しています。
これは、米格付け会社のS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)が、日本の外貨・自国通貨建ての長短期国債格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したことで、反発しているのです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米ドル/円は一時82.79円まで急騰し、短期筋のドルショート(米ドルの売り持ち)が踏み上げられています。
■「「経済先行き不確実」のNZドルは、上値が重い
次に、資源国通貨が上昇する中で、上昇に陰りが見えてきたのがNZドル/米ドルです。
4月27日(水)はFOMCにマーケットの関心が集中していましたが、本日、4月28日(木)の早朝に、ニュージーランドの中央銀行であるRBNZ(NZ準備銀行)の金融政策決定会合が開催されています。
政策金利は据え置きですが、その後に行われた会見で、ボラードRBNZ総裁は「経済先行きは非常に不確実、NZドルの水準上昇は歓迎できない」と表明し、これに呼応して、NZドル/米ドルは一時、0.8075ドルから0.8000ドルまで急落しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 1時間足)
結果として、豪ドル/円が上昇を続ける中でも、キウイ円(NZドル/円)は66.00円近辺で推移し、上値を更新できない状況です。
■豪ドル/米ドル、豪ドル/円を取引してみたいところ
ヘッジファンドの友人は、ファンダメンタルズの相違を材料に、豪ドル/NZドルのロング(買い持ち)を構築しているようです。
FOMCを無事通過し、引き続き「米ドル安」&「円安」の流れとなる可能性が濃厚になってきました。
ただ、前述のように、「止まらない米ドル安・自国通貨高」に懸念を表明する通貨が目立ち始めたのも事実です。
取引通貨ペアには気をつけましょう。
ここまでお話してきたように、オセアニア通貨では、NZドル/米ドルではなく、豪ドルの取引を対米ドル、対円として選択したいところです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
次のターゲットは、豪ドル/米ドルは1.12ドル,豪ドル/円は95円でしょうか?
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)