金曜日の海外市場にむけて、私はドル円のショートで臨んだのだが、どうもドル円の下落が鈍い。やはり下サイドには80円ちょうどというサイコロジカルなテクニカルポイントも控えているし。隣の芝は青く見えるという通り、自分の持っていないものは動きそうに見える。ユーロドルが落ちそうに思えて仕方がないのだ。ドイツのGDPがとても良かったことを反映しても、ユーロドルの上げは1.43台に乗せるにとどまった。
ドル円がベアだからというわけでもないが、ユーロ円もベアなのだろう。ドル円が落ちない以上はユーロドルが落ちる気がしてならなかった。ドル円のショートを持っているので、ユーロドルを3分の2の分量だけ売りこめば、ちょうどユーロ円になる。3分の2というのはユーロドルの交換レートが1.4だからだ。私は自分のポジションをユーロ円にして夜を待つことにした。
ニューヨーク時間の指標が出るころにはユーロドルも1.42台のミドルまで下がってきたが、今度は逆にドル円が強含んできたので、ユーロ円は115円台のまま。まあ、ドル円を裸で持っているよりはよかったが、クロス円がまったく下がらない。
それもそのはずでグローベックスでは米国株が再び今年の最高値にチャレンジしている。これではリスク相場的にはクロス円に逆風である。こんなに株が高いのではクロス円のショートはダメかも思い、私はユーロ円の昼間の高値のちょっと外側である115.55にストップ注文を置いて寝ることにした。きっとどうせロスカットさせられるのだろうと思いながら…。
夜中に目を覚ました。4時くらいだったろうか。PCの画面をふと見ると、ユーロ円は113円台の中盤まで落ち込んでいるではないか!なんと、ストップ注文もついていない。すでに113.90にまで戻っていたが、私は喜んで利食いした。見ると米国株が急落し、原油価格なども下がっている。なにかリスク回避のファクターが出てきて、マーケット全体がそっちの方向に動かされたのだろう。私は今度こそ、安心していっぱい寝た。
週末にIMFのストロスカーン理事が逮捕された。これが為替市場での大きなトピックになると思って私は朝からユーロドルを売りこんでいったのだが、ユーロの安値突っ込みは1.4040近辺までで、1.40台の大台割れは“無念”となった。アジア時間の午後には1.41台にまで戻してきての欧州時間入りとなったので、持ち心地がよくないので私はすべてロスカットした。私と同様に、ショートで攻めた分のポジションがたくさんたまっていたのだろう。
それでもユーロの軟調な地合いに変わりはない。今日と明日にはEUの財相会談が行われる。ギリシャ問題を話し合うのだろうが、肝心のドイツが後ろ向きの姿勢を変えていない。ストロスカーンのことも、ニューヨーク市場では蒸し返されるかもしれない。今晩はユーロドルの戻りを見極めたいところ。ちょっと戻し基調なので売りにくいが、ポジション量を減らしてでも積極的にショートを作りたいところ。
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