昨日は欧州時間になっても、ドル円、ユーロドルともに前日の高値・安値をブレークできずとなった。つまり前の日のレンジ内におさまっているという、はらみの状態にあったのだ。
つまるところマーケットにおいてフレッシュな材料が出てこないと、なかなか大きくポジションを張っていけないということ。確かに欧州市場ではまったくやる気のない動きに徹していて、いいわけ程度に原油価格の上げ下げに応じて、若干の上下動を示すくらい。
私もドル円の81円台のミドルというのは、なかなか明確なビューが持てないで困った。下値方向には80円ちょうどという心理的節目も控えているし、先日の為替介入での直後の戻りが82.00だったことも、ここからの買い上げを拒ませる一因になっている。また4月の戻り高値である85円台から、その後の再度の80円割れの間の半値戻しが82.50くらいに位置しているので、なおさら買っていきづらいのだ。
週明けにユーロドルの下値攻めが失敗して以来というもの、ユーロの買い戻しが優勢となっており、ユーロ円もユーロポンドもおしなべて堅調だ。なかなか米国株も崩れそうで崩れないので、本格的なリスク回避になることは少なく、クロス円は堅調な地合いを堅持している。ユーロ円をベア目に見ている私としても、クロス円のショートに手が出にくいのは、実際の目の前の値動きが阻んでいるからだろう。
そういうわけで今晩もリスクウオッチの相場展開になりそうだ。つまり株価と原油価格に左右されやすいということだ。経済指標はイニシャルクレームや中古住宅、フィリー指数が予定されているが、どちらも悪いと思われているような気がする。ゆえに相場を動かす決定打にはなりえないのではないだろうか。
むしろ原油相場を支配しているインフレ懸念が重要であり、それを占うためにも夜中の10年もののインフレ連動債の入札が重要だろう。入札結果、とくに応札倍率が悪ければ、インフレをマーケットはたいへん懸念しているということで、原油価格の下落を招くことになる。
したがって為替相場はリスク回避の動きが強まって円の独歩高になる可能性が高い。夜中の2時まで起きていられないかもしれないが、手を出すのはニューヨークがクローズしてからでも遅くはないであろう。すでに円高が進行していたにしても、そこから追いかけていくだけの価値はありそうだ。
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