昨日の海外相場では、ギリシャ議会での信任投票が関心の的だった。言うまでもなく、信任されるだろうということでマーケットは進んでいるのだが、先週まで米国株が下げ続けた後でもあり、リスクテークの雰囲気でムンムンの状態となった。
まあどう考えても、ギリシャの改造内閣が信任されても、状況は何も変わらない。むしろ困難はその先にある。具体的には7月3日までと期限を切られた、ギリシャ国内での支出削減を立法化することである。
だがニューヨーク時間になると、そうした傾向は顕著となり、米国株は一段高。ユーロの買い戻しも強烈に入ってきた。それでもバイオレントな上がり方ではなく、欧州時間のレベルから比べると、100ポイントやっと上がったかという感じ。
私は昼間から持っていたユーロドルは損切らされたので、再度の売り場の模索をしていた。しかしぜんぜんディップはなくて、売り込もうにも売り切れなかった。仕方がないので、早起きしてギリシャのニュースを見ながら相場に臨もうと思った。
相場にはセル・ザ・ファクトという格言があるが、本日の早朝ではユーロドルは少しだけ緩んできた。私も少し売ってみたが、本格的な動きは欧州時間の、少なくともランチライムを過ぎるくらいまでは消化しきれないであろう。
一方でドル円はほとんど動かない日々が続いている。80円台の前半で安値安定はしているのだが、一日のレンジ幅が30ポイントもない。ちょっと上サイドも下サイドも、ビッドとオファーで詰まりつつあるようだし、ドル円はますます膠着状態を強め、動きにくくなるのに拍車をかけている感じだ。
さて、今晩はいよいよFOMCだ。量的緩和が終了するのは既定路線となっている。だからといって量的緩和そのものをやめるわけではない。 これまでQE2と呼ばれていた多大な緩和をなくすというだけで、国債の買い取りなどは続ける。また質のほうに目を向けると、金利水準を変更するなどはありようもない。
そこで問題となってくるのは出口戦略のありようではなく、そこに至るまでの必要性をどの程度までFRBとして感じているかである。具体的には国内の経済成長の見通しとインフレ動向に対する考えである。これはバーナンキ議長が会見をするので、その中で徐々に明らかになっていくものと思われる。
しかし利上げを示唆することに関係することは、厳として口をつむぐのだろう。だとしたら、為替相場もあまりダイナミックな展開にならないものと思われる。もちろん万が一でも利上げをに匂わせるような話しでも飛び出してくるならば、ドル買いは炸裂するだろうが・・・。
日本時間 18時45分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)