為替相場ではドルの全面安が続いている。債務上限の引き上げ問題に端を発するアメリカの格下げに、マーケットの方が神経過敏になっているようだ。ユーロドルは日足のレジスタンスも抜けてきて、 さらにドルを買いにくくしている。ドル円は再度の口先介入にも関わらず、安値張り付きをしているばかりで、反転する気配が見込めない状況である。
昨日はアジア時間にインド中銀が50ベーシスも利上げをしたが、為替市場においては主要通貨には影響を及ぼさなかった。欧州時間では若干のドルの買い戻しが見られたが、ほどよい調整の場を提供しただけにとどまって、ニューヨーク勢が参入したころには再びドル売りモードへ。市場のテーマがアメリカの政治に絞られているので、経済指標などでは為替相場は動かない。
ニューヨークのランチタイムを過ぎてからは、ドルは安いところでステイしたまま動かなくなった。ただニューヨーククローズのラスト1時間で米国株は大きく値下がりを演じ、引け味は悪いものとなった。ドル円はついに77円台でクローズを迎えてしまった。これは震災後の円高局面でもなかったことだ。
過去の経緯を振り返ると、米債務の上限引き上げは、もめても解決しなかったためしがない。そのためか資本市場としては落ち着いている。格下げの対象となっている 米国債はとても高いままだ。すくなくとも先物ベースで見ても、ことしの最高値圏にいることは間違いない。実態はだれも心配などしていないというところだろう。
現実問題としては、共和党が1兆ドルの上限引き上げを要求しており、オバマ大統領は3兆ドルを望んでいる。それは政治的な立場のちがいによるもので、共和党は円先の半年持てばよいという考えである一方、オバマは大統領選の終りまで持たせたいという意向。つまり8月初旬はどちらに転んでも、なにも起こらないということだ。
これまで売り込まれきたドル安の反動の方が大きそうだ。私はこまめにロスカットさせられながらも、さらにドルが値下がったところでドルを買っていくの繰り返しで、粘ってみるつもりだ。どの時点でドルが反発するのかは見えないが、やるだけの価値はありそうだ(笑)。
今晩も経済指標よりも、要人発言などに要注意。しかし、なんといっても、いきなり飛び出してくる要人発言には、警戒しても意味がないので、為替相場のプライスの異常な値動きをよく見ておきたいと思う。
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