昨日は為替市場に、震災直後以来の実弾介入が入った。私も77円台の前半でドル円のロングを持っていたので、77円台の後半からパーシャルに少しずつ利食っていった。その瞬間はどこまで上がるのか不明であり、実際に動いている瞬間は本物の介入かどうかわからないためである。これまで何度も「なんちゃんって介入」はあったが、すぐに当局によるものでないと判明すると、ドル円は押し戻される。それゆえの利食い処理である。
しかし昨日のは、さすがに動きが違っていた。スピードこそ遅かったが着実に79円台まで乗せてきて、あとはシステム系のトレンドもフォローもあったのだろう、欧州時間には80円台まで乗せてきた。私のロングポジションは78円台の中盤まででなくなってしまっていたので、後はロングにしてみたり、ショートにしてみたりで遊んでいた。79円から80円の間はブレが大きくて、やたらにストップ注文がついてしまうことも多く、値動きの割りにはトレードとしては生産的ではなかった(涙)。
すでに昼間で疲労しきって迎えた欧州市場。あまりトリシェ操作の発言などに気を止めていなかったが、ユーロドルが急激に下がり出した。何か言ったのだろう。きっと「当分は利上げをするつもりはない」くらいは言ったのだろうと思って、ニュースを調べにいく。
なんと!今度は金融緩和もありうることを表明しているではないか。これはビックリと思って、私はさっそくユーロドルを1.4208で売り込んでみたが、すぐに1.41台には突入したものの、すぐに戻って来たので、すぐに利食った。10ポイントしか取れなかった。
しかしユーロドルはその後も下げ圧力は強かった。私は昼間の介入につきあってちょっと疲れていたので寝入ってしまったのだが、米国株が大幅安をするのとともにリスク回避でユーロ円も下落していた。明方前に起きたので、焦って1.41台のショートなども作ったりして、朝方にユーロドルは朝には1.40台にまで達していたが、東京時間での反発も考えてオープンまでにクローズした。それにしても、欧州時間からみると300ポイント近くの下げだ。
さて介入によって確かにドル円は3円ばかり上がったが、果たして成功だったのだろうか。介入するのは円安にすること自体が目的ではなく、円安を期待しての国内景気の浮揚にある。具体的には株価が上がらないとどうしようもないと思う。そういう意味では為替介入によって上昇した日経先物は100円でしかなく、その後の急落分を加味すると、やはりレベルとタイミングに関して失敗だったとしか言いようがない。
そして今日のような日本株の安いとき、しかも震災後の4月から7月にいたるまで、もんでいたレンジの下抜けが心配されるときに介入をしないのは、何のために介入をやっているのかを理解してるのかと疑いたくなる。まあ、産業界向けの為替のための為替介入だったとしても、ECBのトリシェ総裁にあんなにもあっさり否定されてしまっては、虚しさすら感じる。
しかし昨日はドル円の日足のチャートで見ると、上値が非常に気持ちのよいところで止められた。ドル円の戻し高値が80.22というのは、ちょうど上からのレジスタンスに乗っかっているところだ。しばらくはこの抵抗線に従ってドル円のダウントレンドは継続しそうだ。
今夜は雇用統計だ。今週は株価が大幅下落しており、為替相場でも介入があったため、マーケットの関心は経済指標から遠ざかっているような気がする。就業者数の予想は8万人から10万人くらいの増加を見込んでいるが、かなり大きく予想から外れないと、相場は反応しづらいだろう。しかし株価が大きく落ち込んでしまった後だけに、データが良い方には反応しそうだ。ドル円かユーロ円での押し目買いを狙いたい。
日本時間 18時45分
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