ユーロ/米ドルやユーロクロスが方向感なく乱高下する中で、ヘッジファンドの間で確率が高いと注目されているのが、ヒルデブランド総裁のSNB(スイス国立銀行)の動向であり、ユーロ/スイスフランに注目が集まっています。
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こちらは紆余曲折しながらも、1.3000フランに向けて上昇するといった予測が増えているようです。
■ギリシャでドラクマが復活する可能性も出てきた!?
前述のように、今週のユーロ/米ドルはレンジに入り込んでおり、大きな動きはありません。
しかし、ユーロ圏では事態の悪化に備え、いろいろなシミュレーションが始められたようで、マーケットでは、「ドイツ政府が、ギリシャがユーロ圏から離脱した場合のシミュレーションを行っている」とのウワサも聞かれます。
事実として、金融仲介取引業者で、次のようなシミュレーションをすでに始めているところもあるようです
「世界最大の金融仲介取引業者の英ICAPは、一部の国がユーロ圏から離脱して旧通貨を再び採用した事態を想定し、新たな通貨に対応できる為替取引システムの準備を進めていることを明らかにした。
広報担当者によると、世界最大の為替取引プラットフォームである同社のEBS(電子取引システム)について、ギリシャがユーロ圏から離脱して旧通貨ドラクマを復活させた場合に対応できるかテストを行っている。
同担当者は、テストは複数の顧客が懸念を表明したのを受けてユーロ/ドラクマと米ドル/ドラクマという2つの通貨ペアの取引について6カ月にわたり実施したが、これによって、ドラクマ以外の通貨が複数が加わった場合にも対応できると説明した」(出所:ロイター 「ユーロ圏崩壊に備えた為替取引システム準備、ギリシャのドラクマ復活など想定=ICAP」より)
これは、ギリシャの旧通貨であったドラクマが復活し、ユーロ/ドラクマとか米ドル/ドラクマといった通貨ペアが誕生した場合のシミュレーションが行われているというものです。
ドラクマ復活の可能性はかなり低いはずなのですが、事態が悪化しているため、そうしたシュミレーションも行われているのでしょう。
来年あたりに、銀行間で、EUR/GRD(ユーロ/ドラクマ)やUSD/GRD(米ドル/ドラクマ)といった通貨ペアが取引されている可能性もあり得るといった様相です。
本当に重要なのは、「ユーロ共同債」についてのドイツの対応であるはずですが…。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
いよいよ、ユーロの行方を大きく左右するEUサミットが今週末に開かれます。
「EUサミットで重要な決定が行われる=メルケル独首相」(出所:wall street journal 12月7日)
週明け、12月12日(月)のユーロ/米ドルは、どのレベルから始まるのでしょうか?
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