みなさん、こんにちは。今年も残すところ、あとわずかになってきました。そこで今回はまず、2011年の振り返りをしてみたいと思います。
■2011年を一言で表すと「腰折れ」
まず、例年、年末は「今年1年を一言で表すと?」ということがいたるところで行われていますが、2011年の世界経済、金融市場を一言で言ってみると、これは「腰折れ」というワードがピタリとはまる1年だったのではないでしょうか?
ギリシャショックが欧州全体に波及しています。いろいろと対策は出されているものの、決定打となるものがなく、依然として財政問題への解決策が見出されていません。
さらに心配なことは、欧州の問題が実体経済にも大きな影響を及ぼしているということです。欧州全体の経済状況も悪化、成長率の下方修正についても、耳に入るようになってきました。
たとえば、イタリアの2011年第3四半期の国内総生産改定値は前期比0.2%減とマイナス成長となっています。さらに緊縮財政の影響でマイナス幅は一層拡大、イタリアはリセッション(景気後退)に入り込む可能性が極めて高くなっています。
■2012年はユーロ体系維持が課題
このような状況を背景に、2012年は現在のユーロの体系を維持できるかどうかが試される、重要な1年になってくると思います。
方向性としては、以下の4つが考えられるでしょう。
その方向性とは、以下の4点です。
(1)問題が解決してユーロが現在の状態で維持される
(2)ユーロ圏の中に第1グループと第2グループが形成される
(3)一部の国がユーロから離脱する
(4)ユーロそのものが崩壊する
ただ、現状では着地点が見えません。
(1)に向かうケースにおいては、ユーロ圏諸国でのさまざまな制度のさらなる統一が必要になってきますので、短期間に解決はできないでしょう。
■ユーロ相場はまだ下落する可能性が…
ただ、(2)、(3)、(4)であれば、いずれのシナリオでも、当面はかなり混乱することが避けられそうもありませんから、ユーロにはいずれさらなる下落圧力がかかってくると思います。
ユーロ/円、ユーロ/米ドルは、かなり安い水準にきていますが、これで下落が終わったとは思わないほうがいいということです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 月足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 月足)
米国や新興国については一部で改善の兆しが見られるものもありますが、やはり欧州の問題が重しになっている状況に変わりはありません。
2012年も、当面、欧州はかなり混乱する可能性が高いことは前述のとおりです。欧州の状況をよくみていきながら、先の見通しを考えていくようにしましょう。
それでは、1年拝読いただいたことに感謝すると共に良いお年を迎えられることを祈念しております。ありがとうございました。
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