■ユーロの上値はやはり重いと予想
ユーロについては引き続き、根本的な解決策が示されず、難しい状況が続いています。
今現在、焦点になってきているのは、2012年3月20日(火)に予定されているギリシャ国債の償還です。
なぜここに焦点が集まっているのかといえば、ギリシャでは、3月20日に144億ユーロの国債償還があるのですが、債務不履行(デフォルト)を避けるためには、IMF(国際通貨基金)とEU(欧州連合)からの金融支援が不可欠になっているからです。
このあたりを踏まえて、マーケットは引き続きユーロについて疑心暗鬼になっています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
ユーロの上値は、やっぱり重くなってしまうと思います。
■米国の雇用統計は市場予想を上回る結果
そして、先週(1月30日に開始した週)も大きな動きが見られたのが米国の経済指標です。
先週末の2月3日(金)、米国の雇用統計が発表されました。この雇用統計では、非農業部門雇用者数変化が市場予想の14万人に対して、24.3万人。失業率は市場予想の8.5%に対して8.3%となりました。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
揃って市場予想よりも非常に強い結果となっています。さらに、非農業部門雇用者数変化について言えば、前回値が20万人から20.3万人へ、小幅ではありますが上方修正されるという動きもありました。
■強い経済指標にFOMCの声明内容と比べて違和感が…
このような強い経済指標は、1月24日(火)~25日(水)にかけて行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明内容と比べて少し違和感があるかもしれません。
これまでの「例外的な低金利を2013年半ばまで正当化する可能性が高い」としていた部分を、「例外的な低金利を2014年遅くまで正当化する可能性が高い」という内容に変更したことですね。
当初の予定よりも金融緩和をもっと長く続けるということは、それだけ米国経済に危機感を持っていることのように感じますが、その割に指標は強い結果となっています。
これについて、FRB(米連邦準備制度理事会)は、「今出てくる指標は強いけれども、それでもユーロ圏の問題などを考えると、先行きは厳しいものである可能性がある」と考えているということだと思います。
■豪ドル/円やNZドル/円も大きく値崩れする可能性は低い
このように、現在は、金融緩和を実施しているものの、経済指標はそれなりに強い状況になっています。
こうした経済環境下では、株価もかなりしっかりしてきます。実際、NYダウを見ても、日々ジリジリと高値を更新してきています。株高はもう少し続くと思います。
そして、株高が続くと、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も安定してくるという相関性は依然として健在です。
クロス円も底堅く推移するのではないでしょうか?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 4時間足)
豪ドル/円やNZドル/円などは大きく上昇していますが、株価が安定していることを考えると、大きく値崩れする可能性は低いと考えておきたいです。
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