昨日の海外市場では、アメリカの金融緩和がクローズアップされた。ダドリー総裁や他のFRB関係者が、追加緩和の必要性を主張したからだ。そもそもニューヨーク市場は暗いムードで始まった。それは雇用関連のデータとして注目を集めている失業保険の件数が一気に38万件と悪化したからだ。
そういう悪材料に振り回されている状況下でもあったので、FRB関係者からの追加緩和についての話は歓迎され、それにあわせて米国株は急上昇に転じた。しかしドルはユーロに対しても円に対しても軟化する形を強いられた。ドルが安くなる話しなので、久しぶりに金価格も大幅高となった。
私もなんどかドル売りで入ってみたりはしたが、ドル円もユーロドルも見ている間は値動きに乏しく、ポジションを翌日まで持ち切るのも嫌だったので、同じようなレートで処理することがたびたび。ユーロドルが1.32台に乗せてきたといっても、やはり1日での値幅は100ポイントくらいしかなく、どうも破壊力が足りない。これではとても高いところをつかんでいく気にはなれない。
今日はニューヨーククローズ後にグーグルが決算発表をして、グローベックスで米国株は一段高へ。それにあわせて東京オープン前の為替市場でもリスクオン、すなわち円売りが強くなった。株価はじゅうぶんに伸びたのだから、そこからさらに高くなることは考えにくいのだが、なにぶんにも11時に中国のGDPをひかえている。
昨日の海外市場でも中国のGDPが予想よりも良いのではないかと騒がれたステージもあった。予想ではプラス8.3%とかプラス8.4%と出ている。まあ結果はどうあれ、それを期待してのリスクテークが大いに進むだろうと思ったので、私はユーロ円を買っていった。
ユーロ円は106.66だったので、本来ならば戻り売りとしょうして逆張りたいようなレートだ。まあ、20ポイントのアゲインストになったらカットするつもりでいればよいので、中国の経済指標まで待った。
発表の直前に107円台まで戻しきったユーロ円であるが、このままいくのかと思いきや、発表と同時に急落。きっとGDPが悪かったのだろうと思いながらも、私は必死になってユーロ円の売りを急いだ。なんだかシステムの調子が悪くて、1、2度ひっかかった。その分遅れてしまい、結局、自分の買ったレートと同じようなところで売らされてしまった。はらら~。
この中国の期待はかなり根強かった分、海外市場でのリスクオフの動きが気にかかるところ。さっそく欧州株は軟調にスタートしており、グローベックスでの米国株も安値圏に張り付いている。ドル円も昼間には81円台に戻したが、戻すのがやっとという感じで、いかにも頭が重い。
昨日、アメリカの追加緩和への期待が膨らんだが、それはドル安を意味する。ドル円は3月末にゴールドマンサックスのレポートのように79円台への道をひたすらに歩んでいるようにも見える。
今晩の注目はJPモルガンの決算発表だろう。金融機関の収益を見ていく上でベンチマークになるからだ。アナリストのEPS予想ではプラス1.17ドルとかになっている。すでにかなり好調な利益を織り込んでしまっているのだ。
もちろんその期待のために発表前の20時前まではリスクテークが強まることもあるかもしれないが、中国の悪材料と米国の好材料の綱引きになりそうで、為替相場を見ていくうえでは扱いづらい展開になりそうだ。決め打ちせずに、その場その場で是々非々に対応していくしかなさそうだ。
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