昨日の欧州市場ではクロス円の上昇が目立った。ということはリスクテークの相場展開になったということだ。心配されていた欧州債の入札も、オランダ、イタリア、スペインと、どれも無事にパスしたというのが最大の理由だろう。円の独歩安の形になって、ドル円も81円台に乗せてきた後は、なかなか押し目のない状態となった。
私はドル円を何度か売りで入ってみたものの、損は出さなかったとはいえ、取れても5ポイントや10ポイントというのがほとんどだった。下がらないというよりも、値幅自体が20ポイントもなかったというのが最大の理由だ。経済指標はいろいろ出たが、マチマチ。ユーロポンドが以前として0.82ちょうどが、抵抗線としてキャップされている。
いよいよ今夜はFOMCである。政策金利に変更はあるはずもなく、またバーナンキ議長の会見でも何も目新しいものはないものと想像される。注目はFRB理事たちの金利見通しである。次回の政策変更、すなわち利上げに時期はいつごろになるのがよいと見ているのか。公式には2014年まで低金利を維持するとは言っているが、地区連銀の総裁のなかには年内にでも利上げに踏み切ったほうがいいのではないかという意見も出始めている。
彼らのなかで2014年という声が小さければ、いっせいに世の中は利上げバイアスが高まるだろう。そして出口戦略という言葉が復活してくることもありうる。こうなるとドルの魅力が増すことにつながり、為替相場はドル高に向かわざるをえない。ドル円は再び84円台の方向へ、ユーロドルもリスクがどうのと議論もしていられず、1.30割れの方向に進むことになる。
実際には日本時間でいうと夜中の3時ちょうどに発表されるし、内容をすぐに吟味することは不可能なので、最初の1分間のドル相場としての反応を見るしかない。それでドル高に進んで、いや飛んでいるようなことになれば、そこからでも思い切ってドル買いで攻めたいとところ。82円台でも買っていく。ユーロドルであれば1.30台でも売り込んでいく気構えでいれば、恐れて手が出ないということはないだろう。
ここまではサプライズがあるとしたらの話だが、やはり市場のコンセンサスとしてはFRBの次のアクションは2014年なのだろう。雇用環境が良くなっているとも断言できていないし、世界経済にも不安の種は残っている。つまらない内容だと、リスク回避になるかもしれない。
ドルは総じて動かなくても、クロス円が下がるのだ。朝のアップルの決算で盛り上がったグローベックスでの米国株なので、上げにはちょっと無理をしているところもある。FOMCを期待している側面もあるので値保ちしているだけという一面もあるので、そのゲインを吐き出すことになればリスク中心の相場展開になっても不思議はない。
今晩はいつもにも増して、株価とドルの値段の両方を見ながらの勝負となる。私は早めに夜まで仕事があるのだが、帰宅したら早めに寝ておいて、2時半くらいには起床したいものだと考えている。
日本時間 17時40分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)