みなさん、こんにちは。
■欧米勢から、日銀に対する期待が高まっている
いよいよ明日、4月27日(金)に、注目の日銀金融政策決定会合が行われます。
このイベントに向け、欧米勢は円ショート(売り持ち)を構築しているもようで、前回のコラムでもご紹介したとおり、欧米勢の日銀に対する「期待感」はかなり高まっています(「市場は日銀とカナダ中銀の動向に注目!ヘッジファンドは利上げ期待で加ドルを物色」を参照)。
今週は、4月24日(火)にも次のようなウワサがマーケットに流れ、80円台後半でこう着していた米ドル/円は、あっという間に81円台前半まで値を戻しています。
「今回の日銀政策決定会合では5~10兆円の基金増額に加え、これまで2年以内としていた年限を3年以内に延長する」
先週後半から今週にかけて、欧米勢は米ドル/円の押し目買いを繰り返しており、円のショートポジションはかなり増えているようです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
本日、4月26日(木)の東京市場ではo/n(over night)で、ストライクプライスが82.00円のドルコールの買い需要もマーケットに持ち込まれているようです。
しかし、今週の米ドル/円の高値は81.70円にとどまっています。
欧米勢の買い意欲とは裏腹に、本邦輸出勢はゴールデン・ウィークを控えて、81円台後半での売りを、マーケットにコンスタントに持ち込んでいるのです。
■小沢元民主党代表の無罪判決は円高の材料になる
加えて、海外勢が気にかけ始めたのが、日本の消費増税の行方でしょう。
政治資金規正法違反で強制起訴されていた小沢一郎元民主党代表が、無罪判決を受けたことが報道されています。
一般的には、「無罪判決=政情不安=円売り」との連想になっているようですが、マーケットでは、これを円高の材料ととらえる市場参加者が増えています。それは…
無罪判決を受け、与党の民主党内で消費増税の反対勢力が強まると考えられるためです。
その結果として、6月21日(木)の通常国会会期末に向けて、消費税関連法案が通過しない可能性が指摘されているのです。
■日銀の決定しだいで「sell in May」の相場になる可能性も
白川日銀総裁の論文でも紹介されているようですが、「財政規律にメドが立っていることが、追加緩和の条件」とされています。
したがって、消費税増税の可能性が低くなると、「日銀の緩和策はおだやかなものにとどまるのではないか?」といった観測が広がります。
これは、日銀金融政策決定会合の結果発表を翌日に控えて、円ショートを拡大している短期のヘッジファンド勢にとって、大きな懸念材料となります。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
現執筆時点でも、81円台後半から82.00円にかけては、日銀の決定とは関係なく、ゴールデン・ウィークを控えた本邦輸出勢の米ドル売りオーダーが並んでいると観測されています。
一方で、短期のヘッジファンドは、4月27日(金)の日銀金融政策決定会合で、ドラスティックな追加緩和策が出ることを期待しており、それを前提にしてポジションを作っています。
つまり、おだやかな緩和策であれば、早急に利益確定売りに動くと見込まれます。
また、このような市場環境を受けて、本日の東京市場では、81円台ミドルで早くも、彼らから利益確定(ポジション解消)の米ドル売りが持ち込まれているようです。
もちろん、ヘッジファンドの多くが想定している以上の緩和策が発表されれば、円安は継続するでしょう。
しかし、前述のような市場環境下では、4月27日(金)の結果発表後は「sell the fact(事実で売る)」により、急速に円が買い戻される可能性もあります。
早いもので、来週には5月に入ります。日本はゴールデン・ウィークに突入し、マーケットの流動性は低下します。
日銀の決定によっては、米ドル/円のみならず、相場全体が「sell in May(5月に売れ!)」の相場格言どおりの展開になるリスクも考えておいたほうが良さそうです。
4月27日(金)の日銀金融政策決定会合に注目しましょう。
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