無罪判決を受け、与党の民主党内で消費増税の反対勢力が強まると考えられるためです。
その結果として、6月21日(木)の通常国会会期末に向けて、消費税関連法案が通過しない可能性が指摘されているのです。
■日銀の決定しだいで「sell in May」の相場になる可能性も
白川日銀総裁の論文でも紹介されているようですが、「財政規律にメドが立っていることが、追加緩和の条件」とされています。
したがって、消費税増税の可能性が低くなると、「日銀の緩和策はおだやかなものにとどまるのではないか?」といった観測が広がります。
これは、日銀金融政策決定会合の結果発表を翌日に控えて、円ショートを拡大している短期のヘッジファンド勢にとって、大きな懸念材料となります。
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現執筆時点でも、81円台後半から82.00円にかけては、日銀の決定とは関係なく、ゴールデン・ウィークを控えた本邦輸出勢の米ドル売りオーダーが並んでいると観測されています。
一方で、短期のヘッジファンドは、4月27日(金)の日銀金融政策決定会合で、ドラスティックな追加緩和策が出ることを期待しており、それを前提にしてポジションを作っています。
つまり、おだやかな緩和策であれば、早急に利益確定売りに動くと見込まれます。
また、このような市場環境を受けて、本日の東京市場では、81円台ミドルで早くも、彼らから利益確定(ポジション解消)の米ドル売りが持ち込まれているようです。
もちろん、ヘッジファンドの多くが想定している以上の緩和策が発表されれば、円安は継続するでしょう。
しかし、前述のような市場環境下では、4月27日(金)の結果発表後は「sell the fact(事実で売る)」により、急速に円が買い戻される可能性もあります。
早いもので、来週には5月に入ります。日本はゴールデン・ウィークに突入し、マーケットの流動性は低下します。
日銀の決定によっては、米ドル/円のみならず、相場全体が「sell in May(5月に売れ!)」の相場格言どおりの展開になるリスクも考えておいたほうが良さそうです。
4月27日(金)の日銀金融政策決定会合に注目しましょう。
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