雇用統計は悪かった。数字を確認する前から、はっきりとわかった。グローベックスでの米国株は5月の最安値を下抜けしてきたし、連日の歴史的な低水準を更新している米国債もさらに更新。為替レートもユーロドルが1.22台になっており、ドル円も77円台だ。
私はユーロ円の突っ込んだところを買ってみたいと考えていたので、95円台のミドルまで差し込んだ後にすぐに買い場探しのアクションに移った。95.52まで安値をやったようなので、損切りレベルは95.50でよいだろう。完全な逆張りなので、そこにユーロを買う理由はない。あとは値ごろ感だけに頼って買うだけである。
ドル円の戻りは鈍かったが、ユーロドルの上昇がきつそうだった。さすがにアメリカの指標ということもあり、ドル売りのポーションも無視できないのであろう。ユーロ円が95.95くらいだったので、95.80でビッドを置いたのだが、目では確認できないほどの速さで買い注文がダンになった。
いつそんな押し目があったのだろうと不思議に思えるほど。しかし買えたのだから文句は言わない。ユーロドルのプライスがかなりブレているので、クロス円のほうで混乱をきたしているのかもしれない。
ようやく雇用統計の中味を確認しにいったのだが、やはり悪い。就業者数は10万人増を下回っても仕方がないかなと思ってはいたものの、6万人台だ。こんな5月、6月に雇用状態がこのように悪化傾向になったら、秋の大統領選でオバマの再選は危ないのではないかと思われるほどだ。雇用のデータは遅行指標なのだから、今から対策を打っても効果が出るのはとても遅い。
ともかくもユーロ円は上がってきて、96円台に乗せてきた。利食い態勢に入らねば。そもそもユーロブルではないのだ。利食えるときに、利食ってしまわないといけない。ただ落ち着いてPCに向かえる状況になった頃には、97円台になっていた。手がふさがらずに見ていたならば96円台ミドルで間違いなく買い戻していただろう。これ幸いとポジションをクローズした。
このユーロ円の戻りは、ユーロドルは1.24台まで戻しきっていたこともあるだろう。ただ、もうひと勝負しようにも米国株はさらに安値模索をしているし、オーバーウィークエンドにしてまでユーロ絡みのポジションをキャリーするのは危ない限りだ。次の手出しは月曜日の早朝からでもよいと思い、この後は何もしなかった。
週明けの早朝に大きな変化があるかと思って、興味津々で早起きしたのだが、為替相場に波乱はなし。ただグローベックスでは米国株がさらに下げ幅を拡げた。S&P先物は年初のレベルまで押し込まれてしまい、ここ半年のゲインはほとんど吐き出してしまった。そういうなかでもうちょっとリスクオフで反応しそうなものだったが、さすがにドル円の77円台突入では介入警戒感が強まってくる。
東京市場でソニー株が1000円割れし、TOPIXもバブル以来の安値を割り込んできたとあっては、為替相場の水準に関係なく、金融当局は何か行動を起こすのではないかと期待が高まってきても不思議ではない状況だ。そうしたリスク回避の動きと介入警戒で、為替相場はどちらにも行かず。
アジア時間ではドル円もユーロドルも20ポイントレンジに徹してしまうこととなった。9時頃に介入もどきの動きが見られたが、こうしたチョッピーな動きは、今週は続くものと思われる。
問題は今夜の動きだが、経済指標などのイベントはほとんどない。マーケットの最大の関心事は雇用統計の後の株価の動きになるのは言うまでもない。確かに早朝から米国株は大幅安の報告に突っ込んだが、アジア株は日本株、インド株、中国株などはそれほども差し込んでいない。
日経先物は金曜日の終値が8250円だったことを考えると、東京クローズが8290円であり、むしろ底打ちしてプラス転してきている。米国株もプラス転する可能性も高いとみて、私はリスクテークの方向で構えたいと思う。ちょうど介入の警戒感が高いドル円をさっそく78.14で買ってみた。当然テクニカル的には逆らったポジショニングなので、77.90あたりを下回ってきたら、あっさりとやめてしまうつもりではいるが。
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