果たして、ギリシャがユーロを離脱するようなことは起こるのか?
全世界の注目を浴びて、6月17日(日)にギリシャ再選挙が行われた。
選挙前は、緊縮財政推進派の新民主主義党(ND)と緊縮財政反対派の急進左派連合(SYRIZA)がかなり拮抗しているのではという予測が多く、もしも、過激な発言を繰り返している急進左派連合が勝利した場合、「ギリシャのユーロ離脱」という最悪のシナリオになる可能性も取りざたされていた。
■新民主主義党の勝利で、ユーロ離脱はとりあえず回避か
注目の選挙後に発表されたギリシャ内務省の開票結果予測によると(開票率80%時点)、得票率は新民主主義党が30.1%、急進左派連合が26.6%となっている。
また、新民主主義党と同じく緊縮財政推進派の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)の得票率は12.3%。
新民主主義党と全ギリシャ社会主義運動の得票率を単純に足しても過半数に届かないが、ギリシャの選挙では第1党に50議席が上乗せされる規定があるため、新民主主義党と全ギリシャ社会主義運動が連立与党を組めば、過半数を確保できる見通しになっている。
これを受け、新民主主義党のサマラス党首は「国民は再選挙でユーロ圏残留を選択した」と勝利宣言を行った。
■週明けの為替相場はユーロ全面高、円全面安に!
ギリシャが少なくともすぐにユーロを離脱するようなリスクはかなり遠ざかったと考えられ、週明け、6月18日(月)の相場はユーロ全面高で始まった。
ご覧のとおり、週明けのユーロ絡みのチャートは上方に大きく窓を空けて始まっている。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ VS 世界の通貨 10分足)
また、全般的にリスクオンの動きとなっており、円の全面安という動きにもなっている。ユーロだけでなく、それ以外の主要通貨に対しても円安が進行しており、円絡みのチャートはやはり、大きく上方に窓を空けた形となっている。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 VS 円 10分足)
これで最悪のシナリオは避けられたものの、ギリシャ問題、ユーロ圏債務問題が解決したとは言い難く、将来的にはギリシャのユーロを離脱は起こると予測する見方も根強い。
本日、6月18日(月)の相場でユーロ高、円安の流れがどこまで続くかにも注目だ。
日本時間の午前8時40分の段階でユーロ/米ドルは1.272ドル付近、ユーロ/円は100.6円付近で推移している。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 30分足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 30分足)
なお、土日も取引できるFX会社「OANDA Japan」のデモ取引の画面を見てみると、以下のとおり。
【参考記事】
●土日にユーロが大激変した時、すぐ土日に取引できるFX会社があるって知ってた?
(チャート出所:OANDA Japan)
「OANDA Japan」のデモ取引画面では、上のとおり、6月18日(月)の午前4時台から相場が大きく動き出していた。
(ザイFX!編集部・井口稔)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)