週末のトランプ大統領とのゴルフ会談も終えて、内容から何も強圧的な要求がなかったことで、マーケットは安心感を得た。それで昨日はリスクテークが優勢となった。東京時間ではドル円が114円台に攻め入った。ここまでは想定通りだったのだが、問題はここからさらに伸びるのかどうかである。
今年の半値レベルくらいまでは戻しきってもおかしくはない状況にもあった。しかし結果的にはドル円の114円台は重たかったとしか言いようがない。上げにも勢いが感じられず、そのほかのクロス円も上伸しない。
いつもは欧州序盤でドル円の上げを演じるところなのだが、そうしたアジア時間でのシコリも意識したものか、かえってドル円は下げに転じた。さすがに株高であるという外部環境のもと、ドル円は深押しはしない。それでも113円台のミドルまで差し込んだのは、朝からの様子ではちょっと考えられないくらいであった。
その後のニューヨーク時間では為替相場は小動きに徹した。米国株も小幅な動きだったが、それでも主要3指数ともに歴史的な高値を更新してくるという、リスクオンが継続したともいえる。
今日もリスクテークの方向で始まりそうな雰囲気いっぱいだったが、アジア時間ではドル円はやや重い。昨日の安値をも下回ってきたりもしている。ちょっとドル円は買いづらい展開になってきたが、押し目を拾っていくべきかというと、そうも早計に判断しにくい。要は次の大きな材料を待っているところなのだろう。
今のところは一日の値幅も狭い日々が続くのかもしれない。何を待っているのかというと、入国制限に関する次の大統領令であるし、その反響も見たいところ。また最大のものとしては先週のラリーを呼んだところの「驚くべき」税制の変更だろう。税制のほうは2、3週間と言っていたので、今少し間延びしてマーケットを待つことになる。
さて今晩はドイツのGDPや景況指数、そしてギリシャのGDPなどが発表される。最近薄れてきたギリシャへの関心だが、今月に入って財務状況の悪化が再び話題に上がってきている。2年債や5年債といった中期ゾーンの利回り上昇も、かなり顕著になってきている。
忘れかけているリスクであるが、いちおうの敬意を表して、経済指標にも注意を払いたいところだ。またトランプ大統領となって初めてのイエレン議長の議会証言も行われる。
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