(「FX友の会 in 東京 2012」レポート(3) バンカメは占星術で相場を張っている!?」からつづく)
■北海道から上京された紳士の正体は?
さて、「FX友の会 in 東京 2012」第1部も、もう終盤。
続いて登壇されたのは、奈那子さんからの紹介の後、ゆったりとした足取りで現れた、とてもていねいな口調の紳士。
わざわざ北海道からこの日のために駆けつけてくれたんだそうです。
お名前は、佐野裕さん。
さまざまなトレード教材を提供し、ていねいな指導が人気を集めています。
はてさて、どんなお話を聞かせてくださるのでしょうか。
■身の丈以上に張るな! うまくいくときはトントン拍子!
実は、佐野さんのお父さまも穀物の相場師だったのだとか。佐野さんは、冒頭に、相場師だったお父さまからの箴言をいくつか紹介してくださいました。
1つが、「相場では、身の丈以上に張るな」というもの。
身の丈、というのはもちろん身長ではなく、「資産」という意味。
特に専業トレーダーにあっては、「手持ち資金が命の量」とも言えます。それを決して失ってはならないということだそうです。
もう1つが、「うまくいくときはトントン拍子にいく」というもの。
うまくいくトレードは、エントリーした瞬間からちっとも苦労せずに利益を出せるというのです。逆に、なかなか利益が出ない場合は、早めに整理するというのも大切なことだとも。
どちらも当たり前のようで、なかなか実践できずに痛い目を見てしまうことも多いもの。今一度、確認したい言葉ですね。
■一生忘れられない「紳士」な講演
さらに佐野さんは、このあと豪ドル/円のチャートを使って、チャートの見方に関する一生忘れられない講演をしてくださいました。
一生忘れられない…
その理由をこの記事で、どれだけお伝えできるのか自信はありませんが、お伝えできる部分のみ、かいつまんでお伝えします。
あえて繰り返しますが、佐野さんはトレーダー教育にも熱心に取り組まれ、尊敬を集める相場師であると同時に、とても「紳士」な方です。
この点を踏まえたうえで、読み進めていただけると幸いです。
■「OKなとき」と「ダメなとき」の見分け方は?
さて、講演で使われたチャートは、豪ドル/円の8時間足チャート
明らかにトレンドが発生しているであろう状況で、トレンドに沿ってトレードをしているにもかかわらず、見事に負け続けるトレーダーがいる、という点に関し、ちょっとしたアドバイスをしてくれています。
上のチャートのMA(移動平均線)は右肩下がりです。つまり下落トレンドが発生しているということ。
実は、たとえトレンドが発生していたとしても、「突っ込んでOK」な場面と、「戻りを待った方が良い」場面があるんだそうです。
負け続けるのは「戻りを待った方が良い」場面にもかかわらず、無理に「突っ込んで」しまうから。
たとえば、ボリンジャーバンドの2σ、3σへの最初のタッチは、一度戻ることが多いそうです。
この状態で深追いして売り増し、いわゆる「突っ込み売り」をしてしまうとうまくはいかない。
そんな時は、一度「戻りを待つ」という選択をする方が“おりこうさん”なんだそうです。
では、「突っ込んでOK」なのは、いつなんでしょう?
それは、“上下のバンドが大きく開いている”とき。
え~… まとめますと、「突っ込んでOKなのは、上下にバンドが大きく開いているとき」ということですね。
バンドです。「上下にバンドが大きく開いているとき」です。
■焦らず、一度戻っての再下降!
佐野さんは、このほかにも、さまざまウィットに富んだ表現で、大いに会場を沸かせてくださいましたが、諸事情によりこれ以上はお伝えすることができません。
本当に、残念です。
代わりに佐野さんが魔法の言葉として、繰り返しおっしゃっていた言葉を紹介しましょう。
それは、下降トレンドでのトレードのポイントは、「一度戻っての再下降、一度戻っての再下降」というもの。
きちんとトレンドを見極めたうえで、「突っ込んでOK」かどうかを確かめてから、「突っ込む」。決して焦ってはいけない、ということですね。
一生忘れられない講演になりました。
■最後は、みんなでちょっとだけ座談会! からの懇親会へ
最後は、「FX友の会」恒例の座談会。
奈那子さんが挙げた座談会のテーマは、「ギリシャ問題について」のはずでしたが、話はいろいろな方向へ広がりました。
酒匂さんが、今週(6月4日~)100年ぶり(?)にユーロを買った話をされたり…
バカラ村さんが、ユーロやクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の動向について、売られすぎを調整する動きやギリシャ再選挙の結果次第ではあるものの、長い目で見ると全般的にまだ下落基調ではないか? と真面目に相場予測を話されたり…
西原さんや山中さんの相場観が聞けたり…
と、さまざま。
ちなみに、酒匂さんはトレードがうまくいくと、年に何度か大好きなワインを買いに海外へ行かれるのだとか。うらやましい!
一同、この後の懇親会に向けて少々ソワソワしつつ、楽しく座談会を終了。
そしてその後、会場を移して懇親会が行われ、講師陣も巻き込んだ“飲み交流会”へ。楽しいひとときでした。
奈那子さんによるカツアゲ抽選会も行われ、カツアゲされた(?)あらゆる提供者から募った賞品が、抽選で参加者の戦利品に。
懇親会終了後は、有志での二次会 → 三次会 → 四次元? → 異次元?
残念ながら懇親会まででギブアップした記者は、その後を知りうることはできませんが、総勢約140名の参加者は、それぞれ充実の時間を過ごしつつ、翌週からのトレードの英気を養う貴重な1日となりました。
(取材・文/ザイFX!編集部・向井友代 撮影/和田佳久)
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