去る6月11日(土)、東京でFXトレーダーがたくさん集まるイベントがあった。それが「FX友の会 in 東京 2011」だ。今回はその模様をお届けしよう。
■140人もの参加者が集まった今回のFX友の会
FX友の会とは何か?
それはFX友の会・世話人の奈那子さんを中心にFXトレーダーたちが集まった小さなオフ会が、だんだん規模を拡大してきたものなのだが、詳しい話は奈那子さんに取材した以下の記事に掲載しているので、そちらもぜひご覧ください。
●「『FX友の会』世話人の奈那子さんに聞く(1) 『一晩で300万円の大損』を乗り越えて」
●「『FX友の会』世話人の奈那子さんに聞く(2) 三空さんが大損した夜を覚えていますか?」
ちなみに、FX友の会の大きな特徴として、講師がみんな“自腹”ということがある。FX友の会では、FX界の著名人が次々と登場する勉強会が行われるのだが、講師は講演料をもらって講演しているのではなく、会費を自らが支払い、交通費も自らが支払って、講演しているのだ。
ちょっと聞くと不思議に思えるこの“自腹”の話についても、上にリンクした記事で詳しく触れている。
年々規模が大きくなっているFX友の会。今年は参加者が140人も集まった。世話人の奈那子さんがブログなどで呼びかけたことで集まってきたトレーダーたちだ。昨年東京で行われたときは100人程度の参加者だったので、それと比べてもかなり増えている。
当日はあいにくの雨模様だったが、都内の会場は140人ものFXトレーダーでいっぱい。立ち見が出るほどだった。昨年は各席にテーブルが置かれていたが、それも入りきらず、今年は取り払われた状態。

今年は初心者の参加者が多かったとのことで、当初の予定にはなかったが、急きょ午前中に設定されたのが、トモラニさんによる初心者講座だった。トモラニさんはFXトレーダーでFXスクールの講師も務めている。
そして、いよいよ13時から、FXの友の会本番がスタート! 18時ぐらいまでがほぼノンストップ、かなり長丁場の勉強会で、そのあとがお酒を飲んでの懇親会となった。
■ストップは必ず入れるんですよ!
勉強会のトップバッターは“塾長”こと、酒匂隆雄さんだ。酒匂さんはかつてUBS銀行など国内外の主要銀行で、為替ディーラーとして名を馳せた人。FX業界の重鎮である。
そして、FX友の会にとって酒匂さんは特別の存在。なぜなら、FX友の会は元々、「酒匂さんを囲むワインの会」として5人の参加者で始まったものだからだ。
実は勉強会の前半は、元ディーラーと聞き手の2人1組で進んでいく予定だったのだが、聞き手のマイクが1本調達できず、最初は酒匂さんの独演会となった(このあたり、手作りの会らしいと言えるかも…)。
その酒匂さん、最初こう話し始めた。
「プロも初心者も実は同じ。損しなきゃいいんです。けれど、初心者の方は『オレが買ったんだから、上がるべき』と含み損が拡大してもずるずる持ったままにしてしまう。そこへ行くと、プロも負けるときは負けるんですが、負け方がめちゃくちゃうまいんですね。
だから、初心者は必ずストップを入れること」
そして、その後も…
「ストップは必ず入れるんですよ。
ストップは必ず入れるんですよ。
ストップは必ず入れるんですよ」
と3回も同じ文句を繰り返す場面があり、損失を限定的なものとするストップ注文の重要性を強調していた。

■株主総会には呼ばれるが、ECB理事会には呼ばれない!?
酒匂さんは「ディーラー時代の40年間、テクニカル分析はまったくしなかった」と話す。では、ファンダメンタルズに基づいてトレードしていたかというと、それも違うとキッパリ。そして、「トレードの根拠は『カン』」だという(それはいろいろな要素を自分の中に取り込んだ上でのカンのようだが…)。
ただ、40年間使ってこなかったテクニカル指標だが、最近はものすごくよく使っているものがあるそうだ。それがピボット。これはテクニカル分析に強い個人トレーダー・しろふくろうさんから聞いたとのこと。
その他、“伝説のディーラー”と言われる、現在は海外在住のスゴ腕ディーラーの近況や、元金融当局者の大物の近況など…
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