屈指の論客・バカラ村はどのように生まれたのか
ザイFX!の「FX取引ツールを本音でレビュー」のコーナーで、ユニークな視点の記事をいつも執筆しているバカラ村さん。FX界きってのテクニカル通として名高い。
【バカラ村さん執筆記事の例】
●外為どっとコムの「外為注文情報」を使ってストップを狙う動きに乗るヒミツの方法
バカラ村さんはもはや個人投資家の枠を超えてプロ並みの集客力、影響力を持っている。果たしてテクニカル・キングはどのようにして生まれたのだろうか?
「もともとは会社員で営業をやってました。人と話す仕事は好きだったんですが、司法試験への未練があり、会社を退職して受験勉強をすることにしたんです」
当座の生活資金はサラリーマン時代の貯蓄で乗り切ることにしたものの、目減りするばかりの残高に不安を覚えて始めたのがFXだった。
ちょうど円安が進み、円キャリートレードが流行っていた時期。円売り・外貨買いの円キャリーでさぞ儲けたのでは?
始めて1年でFX生活を実現!
「円安が終わり、円高に転換するという意見の専門家が多く、それに従って損ばかりしていました」
と最初はボクらと同じヘタレトレーダーだったバカラ村さんだが、違うのはここから。司法試験勉強の合間を縫って、テクニカルの研究を開始、いつしか司法試験勉強とテクニカル研究との比率が逆転していく。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
「始めてから1年くらい経ったときには、FXで生活できるようになりました」
と脅威のスピードで上達したバカラ村さん。その秘訣は一も二もなく熱心な研究なのだ。
「プロのディーラーは個人が見られない大口の注文状況やオプションの情報が見られる。個人投資家は情報面でプロには勝てません。勝てるとしたらチャート分析。いろいろなテクニカル指標を研究しました。
といっても細かくパラメータを変えて検証するのではなく、チャートに表示させたときの形、状態を見て使えそうかどうか判断する。たとえば『パラボリック』というテクニカル指標はパッと見たとき、ダメだなと思いましたし、ボリンジャーバンドは使えそうだなと」
ボリンジャーバンドは2σだけで十分!
人気のボリンジャーバンドだが、バカラ村さんの研究は並じゃない。その活用法をちょっとだけ教えてもらおう。
「ボリンジャーバンドの複数σ(シグマ)にこだわる人もいますが、僕の場合は1σも3σもいらない。一般的な2σ(と-2σ)だけで十分です。形だけが見たいので」
バカラ村さんの取引はユーロ/米ドルやユーロ/英ポンド、英ポンド/米ドルなど。通貨ペアを決めるのではなく、幅広く見て値動きが素直なチャートを探す。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
ボリンジャーバンドのσはその数字が大きくなるほど、相場がそのバンド幅で収まる確率が高まる。1σ、2σ(と-1σ、-2σ)を表示するのがもっとも一般的だが、スキャル派を中心に3σや4σ(と-3σや-4σ)を使う人もいる。
でも、バカラ村さんの場合は基本の2σ(と-2σ)のみ。ミドルバンド(※)のパラメータ? 基本的な数値でOK。ミドルバンドは21あたりが一般的な設定だから、そのくらいにしておこう。
(※編集部注:「ミドルバンド」とはボリンジャーバンドの真ん中に表示される移動平均線のこと)
ボリンジャーバンドの5パターンを頭に叩きこもう
まず、バカラ村さんが指摘するボリンジャーバンドの状態は5つ。ボリンジャーバンドでチャートを見るときは、この5つのどれかな?と考えながら見てみよう。5パターンそれぞれの特徴をつかんでおけば、どう取引すべきかがわかるのだ。
【バカラ村流・ボリンジャーバンドの5パターン】
(1)バンド幅が狭く横ばい(スクイーズ)
(2)バンドがスクイーズから上下に広がる(エクスパンション)
(3)トレンドと反対方向のバンドが反転する
(4)上下のバンドともトレンド方向に傾いたまま推移
(5)横ばいでバンド幅が広い状態
「チャートがスクイーズしているときは方向感がないので様子見だし、エクスパンションしているときは強い値動きが始まっていますから、少し出遅れたとしても、動いた方向へ追いかけてエントリーです」
上記の5パターンに沿ってチャートを見る。「5パターンのどれだろう?」なんて迷ったときは様子見でOK。無理してエントリーするのは初心者の負けパターンなのだ。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
エクスパンション時は「反対側のバンド」を見る
気をつけたいのがエクスパンションから(3)を経て、(4)へと推移するときだ。
「エクスパンションでエントリーしたのなら、(3)のように反対側のバンドが反転したときが利益確定のポイントの1つ。
たとえば、下落のエクスパンションが始まって売りでエントリーしたときは、慎重に考えるなら上側のバンドが反転したところで利益確定です。もっと値幅を大きく取りたいのなら下のバンドが反転するのを待って利益確定」
エクスパンションしてもそのまま強い値動きが続くとは限らない。値動きと反対側のバンドがしぼんできたら、そこで値動きが一服することもある。上昇トレンドのときは「-2σ」を、下落トレンドのときは「+2σ」のバンドを見ていると、より細かく利食いポイントを見分けられるのだ。
エクスパンションしたときはチャンス。追いかけてエントリーして、値動きと反対側の2σがカクンと角度を変えるのを待って利益確定だ。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
2σが2本とも傾斜時は押し目買い・戻り売り
「どちらかの方向へ傾斜してトレンドが出ているときは、焦って追いかけるのではなく『押し目買い・戻り売り』です。目安となるのが21移動平均線までの戻り。つまりボリンジャーバンドのミドルバンドです。
ミドルバンドまで戻ってきたところでトレンド方向へエントリーするんです。利益確定はボリンジャーバンドの反転などを見る」
2σに沿って上昇したり下落したりする「バンドウォーク」のときは焦って天井買い・底値売りをしてしまいがちだけど、冷静にボリンジャーバンドを見て戻りを待つべし。
2σが2本とも同じ方向に傾斜しているときはあわてて追っかけエントリーするのではなく、ミドルバンドまで戻るのを待って、押し目買い・戻り売りでいこう。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
足を複合的に見てトレンド順バリを心がける
「ただ、15分足でエクスパンションして下げていったとしても、日足や1時間足が上昇トレンドだと、すぐに売るのは危ないことがあります。デイトレでも長い足のトレンドを意識することが必要。
僕の場合、5分足でデイトレすることもありますが、まず日足を見てから、1時間足、15分足、5分足とだんだんと時間足を短くして見るようにしています」
5パターンに照らして使えばボリンジャーバンドはとても便利だけど、でもそれだけで戦えるほど為替市場は甘くない。初心者におすすめなのはトレンド順バリ。日足や1時間足で大きな流れを確認したら、大きな流れに逆らわないトレードを心がけよう。
(「バカラ村流トレード術を徹底解剖(2) オーダー情報で勝つ方法と“アイス理論”」へつづく)
(取材・文/高城泰(ミドルマン) 撮影/和田佳久)
田向宏行の「ダウ理論で勝つ副業FX!」のここがスゴイ!
FXの書籍7冊が計10万部超えの人気を博す田向氏が、会社員などトレードにかける時間がない人に最適なメルマガを配信します! 著書を基礎とした田向氏のテクニカル分析から、相場が動き出すエントリー・プライスや損切りすべきプライスなど、具体的で実践的な取引価格をお届け。メルマガ独自の学習動画コンテンツに加えて、オンライン交流会を行うことで、コミュニティを作りながら、読者自身のチャート分析能力向上を目指す、新しいタイプのメルマガです!
志摩力男の「グローバルFXトレード!」のここがスゴイ!
ゴールドマン・サックス証券会社やドイツ証券などの名だたる金融機関でトップトレーダーを歴任し、現役トレーダーとして相場の前線で活躍する伝説の男、志摩力男氏のグローバルな相場観を配信! 志摩氏が実際に行ったトレードとポジジョンについてもほぼリアルタイムで細かく配信されるほか、マーケットで注目されているニュースやマクロ経済などの的確な分析も届くので、FXだけでなく、他の金融商品の取引にも役立つメルマガです!
「ザイFX!プレミアム配信with今井雅人」のここがスゴイ!
元邦銀チーフディーラー・今井雅人氏からのレポートを受けてザイFX!が配信する「ザイFX!プレミアム配信 with 今井雅人」は、その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替相場の予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限りお届けするメルマガ。国会議員時代の2014年に、FXで5000万円以上の利益を上げたことが話題になるほどの抜群のトレードセンスと、鋭い視点で為替相場を解説するレポートは、多くの個人投資家の取引に役に立つだろう。
太田忠の「勝者のポートフォリオ」のここがスゴイ!
日本の中小型株市場に携わり、国内外で6年間にわたってアナリストランキングのトップを維持した太田忠氏が、個人投資家の目標のひとつであるFIRE(早期経済的リタイア)を目指す投資法を配信! 徹底した分析による優良銘柄・バリュー銘柄の発掘を通じて、相場の動きに一喜一憂せずに資産増を目指す方法を配信やセミナーなどで発信する。購読者(無料期間終了後)には、太田氏が推奨するポートフォリオの提示サービスが閲覧できるサービスも提供しています!
ポール・サイの「米国株&世界の株に投資しよう!」のここがスゴイ!
日本で外資系運用会社として首位となる3兆円あまりを運用するフィデリティ投信でアナリストとして活躍し、40代でFIREを達成したポール・サイ氏が、世界の株式、経済に影響を与えるニュースをリアルタイムでキャッチし、分析を加えて配信!購読者(無料期間終了後)には、成長力の高い米国株を中心に、中国株や日本株も臨機応変に組み入れる珠玉のポートフォリオを提供しています。
西原宏一の「トレード戦略司令!」のここがスゴイ!
外資系銀行でチーフトレーダーとして活躍していた西原宏一氏が、プロディーラーの経験を生かした実践的でタイムリーな為替予測や自身のポジションを、ほぼ毎日配信! 会員限定コンテンツでは、過去のすべての配信内容、チャートや過去に配信した動画などが見放題となり、購読者限定のセミナーも開催されるなど充実した内容が魅力。日経平均や米国株など、FX以外の金融商品のことにも言及してくれているので、幅広いトレードに対応可能なメルマガです!