■LIBOR不正操作問題で下落余地が拡大した英ポンド
前述のように、ユーロは依然軟調な展開を続けており、ユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)は続落。
個人投資家の間ではあまりなじみがありませんが、2012年7月4日(水)の夜、ユーロ/スウェーデンクローナが8.6490クローナまで急落したことがマーケットで話題になっています。
(出所:CQG)
ただ、こうしたユーロクロスの下落に追随しないのが、ユーロ/英ポンド。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
それはユーロ/米ドル同様、英ポンド/米ドルも続落しているためです。
その背景は、ブルームバーグやロイターといった海外ニュースで連日報道されている、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)不正操作問題が英ポンド安を誘引しているため。
LIBORの操作疑惑をめぐっては英大手銀バークレイズが27日に不正を認め、英米当局に総額4億5000万ドルの罰金を支払うことに同意した。
タイムズが関係筋の話として報じたところによると、RBSはバークレイズと同様の不正が行われていたことを認めた。ただ、バークレイズのケースほど悪質ではないとしている。(出所:ロイター)
このLIBOR不正操作問題は、英中銀や英政府も関与しているという問題にまで拡大し、英ポンド安を誘引しています。
この問題は英ポンドだけではなく、欧州の金融機関全体の問題に発展しており、グローバルマーケットは再びリスクオフの相場展開になるのではないかと懸念されています。
下落が収まらないユーロクロスに加え、LIBOR不正操作の行方に注目が集まり下落余地が拡大している英ポンドの動向にも注目。
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