加えて、多くのエコノミストは依然として2012年9月13日にQE3が決定される可能性を指摘しています。
バーナンキ議長の議会証言では具体策は出なかったものの、その可能性を否定したわけでもなかったため、このことが米金利の低下、そして米ドル安を誘因しています。
■豪ドル/米ドルとユーロ/米ドルの反発に警戒
前述のように、ユーロの弱さは変わらず、ユーロクロスの下落は継続していますが、先週(7月9日~)までのようにユーロ/米ドルの下落がユーロクロスの下落を先導しているわけではありません。
たとえば、ユーロ/豪ドルを例に挙げると、豪ドル/米ドルの上昇がユーロ/豪ドルの下落に結びついています。
友人のヘッジファンドによれば、先週(7月9日~)ユーロ/米ドルが1.2000ドルを割り込めず調整局面入りしたため、全体的にボラティリティが低下。
結果として、彼らのリスクオフポジション(WTI原油、豪ドル/米ドルのショート)の買い戻しを活発化させたとのこと。
8月を控え、為替相場全般にボラティリティが低下してきている中、政策金利が3.5%という豪ドルの金利は、ほかの主要通貨との比較では魅力的なものになるのではという見方もあるようです。
短期筋の買い戻しにより、豪ドル/米ドルは先週(7月9日~)まで強烈なレジスタンスであった1.03ドル台前半をブレイクし、7月19日(木)は1.0397ドルまで急騰。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
米ドル/円も78円台に突入しており、英ポンド/米ドルも1.56ドル台に上昇。
QE3の可能性を残している米ドルの下落が顕著になってきているわけです。
現状、ユーロ/米ドルの1.23ドル台には、中長期のユーロ売り遅れ組の売り注文が並んでいる模様で、それが上値を抑えていますが、下値も1.21ドル台後半から1.22ドル付近で四度止められています。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
ユーロは依然として悪材料満載なのですが、米ドル下落が鮮明化する中、米ドルの弱さがユーロよりも顕著になり、ユーロ/米ドルも調整局面入り。
豪ドル/米ドルの強さは変わりませんが、米ドルの下落が鮮明化する中、豪ドル/米ドルに加え、ユーロ/米ドルの反発にも警戒感が高まっています。
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