金曜日の欧州時間はユーロドルが1.29台の前半で始まった。前日の欧州の信用不安が薄らいだ結果のユーロの買い戻しによる。値動きだけから確認すると、水曜日も木曜日もユーロドルは1.2830あたりで止められて、その辺がサポートだったんだということになっている。そのレベルをボトムにして、どこまで戻りきれるのかが問題であった。
QE3後のユーロドルの高値は1.3170であり、そこからの最大の押しは1.2829付近である。単純に半値も戻しを計算すると、1.3000である。大台でもあるので、ちょうど戻りの節目としては存在感がありそうだ。果たして欧州時間でどこまでが上値の限界であるのか。
ユーロドルが1.2960近くまで上がってきたが、ここから買っていく気にもなれなかったので、今はやりのバイナリーオプションで15ポイントほど上の設定レートのブル型を少々買ってみたりして、ユーロの急激な上昇に備える。しかし3回ほど購入したが、いずれも外れ。やはり結果的にではあるが、この辺がトップになった。
スペインのストレステストの結果が公表されるだろうということで、マーケットに警戒感が広がった。28日に出されるとは前々から言われていたことだが、実際に好評となるとリスクに備えてしまうのだろう。私もオプションをやめて、通常のFXでユーロショートに挑んだ。
出来は1.2928だったので、日中のレンジからいえば、かなりの安値圏だ。まあ、仕方がない。ちょっと遠い感じもするが、さきほどつけた高値のちょっと外側ということで1.2960でロスカット注文を置いておく。
ニューヨーク勢が参入してきても、ユーロドルは重そうに見えながらも、なかなか1.29台を割り込まない。ようやく動き出したのは、シカゴ購買部の数字が出てからである。景況感は予想よりも悪かったので、ユーロドルをショートにしている私としては一瞬あせった。強烈なドル売り相場となるかもしれないと思ったからである。
しかしちょうど米国株もオープンしていたこともあり、そちらのほうが素直に株安で反応したので、リスクの面からもユーロ売りの相場展開となった。ただでさえスペインに対して警戒していたところへ、1.29台割れというテクニカルな一因も加わったためであろう。ユーロドルは1.28台のミドルまで差し込んだ。
ここまでくるとサポートであるはずの1.2830あたりが気にかかる。私は1.2850より下は利食いゾーンだと思っているので、買い戻し態勢に入った。もちろん急激なショートカバーが起こっても買い戻すつもり。
そして1.2846で買い戻しができた後に、スペインの結果が公表された。銀行の資本不足とされる分は、市場の予想よりも小さいものだったので、安心感から株高、そしてユーロの買い戻しとなってリスクテークの状況となった。
やはりサポートは効いていたということになった。これで日足ベースでは同じ所で3回も連続で止められた格好になる。その後のニューヨーク市場ではユーロの伸びはあまりなかった。ユーロドルは1.29台に戻しきれずに、もう一度押し込まれてクローズを迎えた。
週明けの動きは大切である。早朝では米国株などやや軟化。リスク回避での動きが主流となった。それをうけてユーロは売られ、ユーロドルは先週の後半で何度も止められていた1.2830あたりを割り込んできた。
その後で日銀短観が発表されたが、注目を集める大企業の製造部門はマイナス3となり、予想のマイナス4よりも良かったが、あまりインパクトなし。10時に発表の中国の景況感も、中国自体が長期休暇に入っているため、無視された格好となった。私としては注目していたのだが、まだはっきりした動きは出てきていない。
今晩は夜中にメルケル首相とバーナンキ議長の講演がある。金融マーケットではもっとも注目されている二人であるが、その分だけ突拍子もないことは言うはずがない。朝かたからユーロの安値トライが続いていたが、欧州序盤では盛んに買い戻されている。欧州株が値を戻しているためだが、ユーロドルの戻しのメドを確かめなければ。
日本時間 17時00分
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