昨日もユーロドルは往って来いの相場になってしまった。欧州序盤は1.28台の後半から始まったユーロドルだったが、1.29台に乗せてくると徐々に値を固めていって、上値を広げていく。その過程で欧州株も高値追いだ。ロイター電のスペインは週内にも支援要請するだろうと観測記事が先だって、それが欧州の信用不安を著しく後退させている恰好となった。
しかしここ2、3日は連続で、盛り上がったユーロドルもニューヨーク時間の午後からは振るい落とされて、朝になってみると1.28台に戻っているということを繰り返している。さすがに1.2950が近づくになるにつれて、このユーロの上げが本物かどうかを懐疑的に見ざるをえない領域となっていた。
ここ1週間でのユーロドルのマックス戻しは1.2959だったが、それをつっかけてストップロスを誘発。1.2967まで高値を更新したが、これも無理にストップ注文をつけにいったようでもあるので、すぐに売りものに押された。
そしてスペインのラホイ首相が「通信社はなぜ自分よりも知っているのか。」と言って暗に今週の支援要請はあるはずがないことを匂わせたので、それまで続いていたリスクテークの流れは一転してリスク回避へ。
米国株が急落に向かっていき、これにしたがってユーロも頭が重い展開になった。ユーロドルは1.28台にまで下がらなかったが、ニューヨーク時間の午後は下げっぱなしだったという印象は強い。
こういう展開が続くと、欧州時間の始まりでユーロ買い、そしてニューヨークのランチタイムでポジションを外して、様子を見ながらという条件のもとではあるが、ニューヨークの午後からユーロショートにしておきたいというパターンが出来あがる。当分はこれを念頭に置いて取引に臨むべきなのかもしれない。多くのトレーダーも同じように感じ取っているだろうから。
今日は日本初の材料があまりにも少なかった。中国は休み中であるし、アジア時間の注目は10時半のオーストラリアの貿易統計になった。貿易赤字の幅が市場予想よりも大きかったために、オージーは軟化。オージー円は80円の大台を割り込んだ。そもそも昨日の予想外の利下げでオージーの足腰は弱っているところでもあった。
そしてこれがややマーケットを暗くした面もあって、午後から日本株も軟調な地合いに。値幅は小さいものの、ユーロ円も売り圧力が強まっている。ロンドン勢も今日はユーロ売りで入ったと見えて、本日の欧州序盤ではユーロドルは1.28台に入っての推移となっている。
今夜のイベントではADP指数が相場を動かしそうだ。予想では14~15万人増がコンセンサスとなっているので、20万人増くらいの数字が出てこないと、マーケットではリスクテークのようなポジティブな動きは出てこないだろう。
昨日の米国株も上サイドをやった後のシコリを残した状態での下攻めが続いて現状に至っているので、悪い結果にはもろそうだ。私も時間帯を気にしながらになるが、ユーロドルの1.29台を売りたい方で相場を見ている。
日本時間 16時20分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)