昨日のアジア時間では、アメリカのハリケーン上陸や停電の話もあって、大きくリスク回避に傾いた。グローベックスでの米国株は投げ売りを巻き込んで安値攻めを展開する一方で、日銀も11兆円の資産買い取り枠の増額というほぼ想定内の追加緩和をやったことで、大きな失望を買った格好となった。
日銀の発表は東京クローズの直前だったため、どこまで株価などに織り込まれたのかがはっきりとしないのだが、それでも短期間の間に日経先物は200円幅も落ちたのだから、完全なリスク回避である。私もこの間、ドル円をショートにしたりしていたのだが、欧州待ちとなっている間に米国株が切り返してきたのでリスクオフのポジションはまずいのではないかと考えて、すぐにポジションを閉じた。
アメリカが連日で休みになるというので欧州市場でもマーケットは動意薄かと思われたが、ユーロがなかなかに堅調さを見せた。イタリアの国債入札が無事に通過したことで、安心感が増幅した。材料がないところだっただけに、これで欧州株も急速に上昇に転じ、それでユーロ買いが進んだようだ。ユーロドルは1.29台に乗せてきてからも堅調のままであり、なかなか下がらない。
22時過ぎにグローベックスでの米国株も早期終了したので、それ以降は動かないだろうと思われたが、ユーロクロスも含めてユーロは全面高で、そのまま高値圏で引けた感じだ。ニューヨーク時間は動かないだろうから、私も早々に就寝した。
さてこれから、ドル円は80円台に戻すほうに動くのか。それとも79円台割れの方向に動くのか。本日のアジア時間でも79円台ミドルでどちらに行ったものか、わからない様子だった。欧州市場に入ってから少し上方向になったが、ともかく80円台に戻すためには株価の復調がともなわなければならないだろう。米企業決算もほぼ終わったし、後は雇用統計頼みのようでもある。
日本が追加緩和したといっても、世界的に緩和中なので、それがさらなる円安を後押しするとは考えにくい。それでは昨日のように失望やポジション調整からの円買いが入るかといえば、クロス円での円ショートの整理がつくまではなかなかそうもなりそうもない。つまりは79円台にスティックするのではないかというのが大方の見方となっているようでもある。
今晩もニュースの中心はハリケーン関連が中心となるだろうが、昨日の海外市場で切り返してきた株価など、ややリスクテークとなっている流れがこのまま続くのかどうかに注目したい。
とくに2日の休みをおいてオープンする米国株市場のオープンから1時間ほどの値動きは重要だ。つまり今夜の22時半からの1時間である。この時間帯の動きに合わせて、ドル円かユーロ円のポジションを作りたいと考えている。
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