さて、いよいよ大統領選の結果待ちとなった昨晩。このアメリカの大統領選挙が相場に与えている状況を振り返ってみる。米国株は8月以降の動きのなかにおいては、ほぼ安値圏でステイしている。緩和期待でリスクテークになっていた時期から比べると、すでに期待も効果もハゲ落ちて、利食い売りしたい人は利食い、一巡したというステージのようだ。
ではここからさらにリスクテークに向かうほど、果たして大統領が誰になるかが重要なのかという問題である。オバマが再選するだろうというのがもっぱらの予想だが、それだと現状維持だし、マーケットに変化は与えられないのではなかろうかとも思える。そういう意味ではどこかで株価の下落のタイミングを狙って、リスク回避の方向で賭けてみるのが納得のいく作戦だとも思えるのだが、それも相場の動き次第である。
昨日の欧州市場ではそうした私の思惑とは反対に、欧州株は大きく値を伸ばしていく展開となった。大統領が誰に決しようと、市場の不透明要因がひとつ消えるというのが最大の理由のようだ。肝心のグロベックスでの米国株も高値追いを始めた。欧州株、とくにドイツやイギリスの株価も今年の最高値に急接近している。
リスク許容度が増してきているのは明らかで、ユーロドルは1.28台乗せ。そしてユーロ円も102円台の後半まで切り返してきた。欧州から出てきた経済指標がいずれも悪いものが多かっただけに、余計に期待だけでのリスクオンが目立つ感じがする。
株価の値崩れする局面を待ったのだが、昨日はニューヨーク時間に入ってもなおリスクテークが続き、ユーロドルもユーロ円も高値圏での張り付き状態となった。1.28台の前半や102円台の後半は無理して売っていくようなレベルでもないだろう。ニューヨーククローズを見ることにして、私は何も取引せずにいた。
ニューヨーク市場の午後ではドル円がさらに持ちあがり、80円台のミドルをアタックしたようで、ユーロドルはあんまり動いていなかった。東京時間の午前中ではユーロ売りが多少出てきて、ユーロドルは1.28ちょうどを割り込んだ。開票作業が進んで、状況が見えてくるのは東京時間の午後からだというので、ここは我慢したいところ。
まだ株価には大きな動きが現れていないからだ。しかし10時過ぎに急激にグローベックスでの株価が下落。昨日の欧州序盤のレベルまで急降下した。日本株はまったくの無反応だったので、アメリカ固有の問題かもしれないし、アメリカの選挙の裏ではギリシャの第三次支援に向けての攻防も続いているせいかもしれない。
実際のところはどうなのかよくわからなかったが、とにかく株安の方向でマーケットが反応しているのだから、私もリスクオフで臨まないといけない。ドル円にしようかユーロ円にしようかと迷ったが、やはり下値に余地がありそうなのはユーロ円のほうだろう。そういうわけですでに下がってしまってはいるが、ユーロ円を102.53で売っていった。
東京のランチタイムになっても、いまだに大勢は判明せず。株価も押しまくっている。日経先物は朝のレベルよりも150円も下がっており、8900円まで突っ込んでいる。リスク回避も進んでおり、ユーロ円も102.30も触りだした。しかしユーロドルも上がっているので、相場としてはドル安に進んでいるだけだ。
なんとなく当てが外れたようでもある。ちょっと注意して身構えていると、13時過ぎから株価は反発。これはマズイと思って、私もクロス円のショートはやめることにした。買いにいったときはすでに上向きに走っていて、102.81でしかカバーできなかった。
フロリダやオハイオなどの地区ではオバマが優勢と伝えられ、オバマが再選しそうだということになって、ドル円もユーロドルも上昇。きついユーロ円の上げとなってしまった。東京クローズとなって、米国株も日本株も朝のレベルにまで戻ってしまい、残ったのは高いユーロドルだけだということになった。
今晩は大統領選挙の結果の消化具合を見る一日となる。いちばん注目を集めるのは株価の行方だ。昨日、大幅高をやっているだけに、この高い株価を正当化できるだけの値動きが今夜のニューヨーク市場で演じることができるか。アジア時間と同じような動きが、ニューヨークオープン前に起こったならば、そこはやっぱりユーロ円の売り場になるのではないかと思う。
日本時間 17時30分
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