金曜日の欧州時間では、ドル円が高値攻めで始まった。それまでの戻し高値である82.83を当面のターゲットとする動きだ。それまでのアジア時間では82円台の前半をやっていたので、ステージは上がったことになる。もちろん買い戻しの圧力は高まるところだ。82.50を越えてからは完全に82.83を意識する動きとなって、下がりもしない代わりに上げもしないという、高値張り付きの状態になった。
テクニカル的にも重要な位置。つまりは買うにしても売るにしても、このあたりだというレベルが極端に近付いている。わかりやすいので私も82.70で売ってみた。買いから入るのは82.83をブレークしてからのこと。ここは完全に逆張り場である。82.85で買い戻し分だけの、つまりストップロスの注文だけを置いておいて、あとは相場任せ。
自分が売ったからといって、ここから反転・下落するという都合のいい見通しは持っていないが、それでも張っていくのがテクニカル面からのアプローチというものだ。しかしドル円は動かなかった。高いままだった。そもそも82.60を下回らない。たしかに上値も限定的だが、とても強く感じられた。
アメリカの経済指標も大したものが出るわけでもなし、こうなったら米国株オープンでの株価の挙動に依存した為替相場にならざるをえない。私はしっかりと見守っていたのだが、ドル円もやや重くなりつつも82.50をちょっと割り込むのがやっとだった。もう動かないだろうと断念し、ほどほどにして買い戻して寝ることにした。ドル円やユーロ円の高値攻めは週明けのアジア市場でトライすることになるだろうことを期待して。
先週末のニューヨーク市場では、ベイナー下院議長の「財政協議は何ら進展していない」という発言が繰り返された。しかしマーケットは大きなリスク回避に傾くこともなく、ニューヨーク時間の午後は小動きだった。それでもニューヨーククローズ後にムーディーズが欧州の新設機関であるESMとEFSFを格下げした。
これの反応がどう出るかを週明けの相場で確認したいところだったが、今日の早朝の為替相場では特にユーロ売りが出てくるわけでもなく、かなり落ち着いていた。下がると思っていたプレーヤーのポジション調整が急がれたのか、むしろアジア時間ではユーロ買いが集まり、ユーロドルは先週末の高値レベルをも上抜けしてきた。ユーロ円も堅調で、先週の戻し高値である107.66をうかがう状態だ。
本日も経済指標などイベントが少ない分だけ、先週までの高値といったテクニカルポイントを見据えての相場つきとなろう。それをブレークしない限りは単純に逆張りで入ってみて、抜けたらロスカット、もしくは倍返しという方向で臨むべきであろう。
もっと単純に考えれば、ユーロドルにしても、ドル円にしても、大台が変わるかどうかだけに注意していればよいのかもしれない。大台が変わったところで、追随でロングにするほうが安全ではある。
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