■ユーロ高・円安に不満を述べる欧州への配慮か
この文章はどうとでも読めますが、この時期に行われたということは、為替市場において一番変動している円相場をテーマにしていることは、間違いないでしょう。
おそらく、最近ユーロ高・円安に不満を述べている欧州サイドに配慮して、週末にG20が開かれる前に声明を出しておいたほうが良い、という判断があったのではないでしょうか。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
日本側からすれば、
「我々は、我々の財政・金融政策が、国内の手段を用いてそれぞれの国内目的を達成することに向けられてきていること、今後もそうしていくこと、そして我々は為替レートを目標にはしないことを再確認する」
という文章をもって、今の金融政策を正当化することができたと主張するでしょうし、一方、ドイツなどのように、円安に不快感を示している国は、
「我々は、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることに合意している」
という文章をもって、現在の円相場は過度の変動であると主張することができるでしょう。まさに玉虫色の内容です。
■重要なのは米国のポジション! 株高・円安はもう少し続く
G20でも一部の国、特にアジア諸国、欧州などから不満の声が上がる可能性があります。しかし、重要なのは、米国のポジションです。
去る2月11日(月)、ブレイナード米財務次官は「経済成長の回復」に向けた日本の取組みを歓迎するという趣旨の発言をしました。
また、次期財務長官に指名されたルー前大統領首席補佐官は上院財務委員会の公聴会で「強い米ドルが米経済にとって最大の利益」と述べています。
ルー氏の発言はこれまでの公式見解を踏襲したもので、多少割り引いて見る必要がありますが、今のところ、米国サイドから円安懸念が出てくる可能性は低そうです。
実際の値動きを見ても、下押しは浅いものとなっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
基本的な株高・円安基調は、もう少し継続すると見ておきましょう。
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