(「葉那子が本気で挑む『FX道!』特別編(1) ローラと葉那子の隠された因縁とは!?」からつづく)
実はテレビ朝日のアナウンサーに応募していた
では、ミス慶応の王道、女子アナになる気はなかったのか?
この質問をすると、そのとき、葉那子さんははじめてエントリーシートを提出した会社が1社あったことを思い出したのである。テレビ朝日だ。
「アナウンサーの入社試験は他の企業と比べて時期がすごく早くて、たぶん3年生の9月ごろから募集が始まって、10月ぐらいには内定をもらえるような日程なんです。
そういう一番早い日程なので、周りでもアナウンサーになりたいからではなく、就活の練習として受ける友だちが多かったんですね。
そうやって、友だちが受けるのを見ていて、私も受けようと思いました。ただ、そう思い立った時点ではほとんどの局のエントリーが終わっていました」
そのとき、唯一まだ受け付けていたのがテレビ朝日だったのだ。
葉那子さんがテレビ朝日のアナウンサーに応募したのはテレビ朝日に特別な思い入れがあったわけではなく、単なる受付時期の問題によるものだった。
ここでもまだ、葉那子さんにはハッキリと目標に向かって突き進むという気配は感じられない。
そして、今回のこのシリーズ記事ではここまで「ミス慶応→女子アナという進路が王道」という図式を描いてきたが、大学3年のときにミス慶応を取っても、その称号を女子アナの就活に役立てることはできないことがわかる。
なぜなら、その年のミス慶応が決まる前に女子アナはすでに内定しているからだ。
現に葉那子さんのときもミス慶応が決まる前に、その候補者の中からアナウンサー内定者が出ていた(フジテレビの細貝沙羅アナ)。
もしも、「ミス慶応になったことを活かして女子アナへ」という青写真を描くなら、ミス慶応は大学1~2年のときに出場しなければならないのだ。女子アナ志望の方、ご参考まで。
「駿河湾」を「シュンコウワン」と読んでしまった苦い思い出
さて、半ば就活の練習のような感じで受けたテレビ朝日のアナウンサー試験だったが、その結果はどうだったのか?
「1次審査は大きな会場にたくさんブースがあって、1人30秒ぐらいという短い時間で自己紹介をします。そんなところから始まって5次審査まであるんですが、私、4次審査までは行ったんですよ。
4次審査はスタジオで実際に原稿読みをする試験でした。その時点で男女合わせて20人ぐらいが残っていました。
読む原稿は事前に渡されていました。それを読む練習をして、準備万端、臨んだつもりだったんです。
そうしたら、途中でいきなりADさんから紙をパッと渡され、『駿河湾で震度○○の地震がありました』という速報を読まなければいけなくなったんです。事前に知らされていなかったことでした。
私、この『駿河湾』という漢字が読めなくて、『シュンコウワン』と読んでしまったんです」
「駿河湾」という漢字を読めなかった、帰国子女の葉那子さん。女子アナの言い間違いは割とよく聞く話ではあるのだが、試験でそれをやってしまってはまずかったか…。
ロンドンから駿河湾まで直線距離にして約9600㎞。中学、高校とロンドンで過ごした葉那子さんに駿河湾は文字どおり遠い存在だったのか。
「苦い思い出」と彼女が語るこの読み間違えが原因かどうかはわからないが、結局、葉那子さんはテレビ朝日アナウンサーの4次審査を通過することができなかった。
半分は就活からの現実逃避でタレント活動に入る
テレビ朝日のアナウンサー試験には落ちたが、芸能事務所を辞めて出場したミス慶応コンテストで、見事グランプリに輝いた葉那子さん。
ミス慶応になったことで、以前所属していたのとは別の芸能事務所から「芸能活動をまたやらないか」と声がかかった。そこで、再び芸能事務所に入ったのである。
今度はミス慶応の称号を取った上でのタレント活動。モデルをたまにやっていた以前と比べると、その活動はより本格的になった。
ただ、再度タレント活動に入った理由を「半分は就活からの現実逃避」だと葉那子さんは語る。
就活には気が進まないところがあったのかと聞くと、「みなさん、気が進んでいるんですかね?」との逆質問。
そして、「でも私、本当に特にやりたいこともなくて…。今のダメな若者のかたまりだったんです」との答えが返ってきた。
日本経済全体が長らく停滞し、非正規雇用が増え、正社員が狭き門となっていくなか、就活はその昔と比べ、相当厳しい世界になってきた。最近では就活がうまくいかないことを苦にして自殺する“就活自殺”が増えているほどだという。
そんな状況下で就活から逃避したいという学生がいても無理はないと感じる。しかし、芸能事務所に誘われて、タレント活動に入るというのは、かなり恵まれた“逃避”の仕方ではないかと感じるのも確かだ。
「忘れる」ことが葉那子さんの特徴なのか!?
さて、「半分は就活からの現実逃避」と語る葉那子さんだが、では、もう半分は何なのか?
「私、なんでタレントを目指したのか、まったく覚えていないんです」
もう、半分は何だったのか、記憶はよみがえらないようだった。これまでも何度か出てきたが「忘れる」ことは葉那子さんの特徴の1つかもしれない。
「タレントに興味はありました。好奇心はあるんですよ。やってみたいな、という思いだけだったんです。
ただ、自分がテレビに出たいとはあまり思っていませんでしたし、こうなりたいという理想のタレントさんもいませんでした。目指す方向性もなかったので、ただ、来た仕事に出ていたという感じです。本当に流される人生で…。いい経験だな~という思いだけでした」
ミス慶応になったあと、芸能事務所に入り、タレント活動をはじめた葉那子さんだったが、テレビに出たいとはあまり思っていなかったという。
TBSのオールスター感謝祭にも出演!
明確な方向性はなかったものの、学生生活の傍ら、葉那子さんは再びタレント活動を始める。フジテレビのキャンパスナイトフジなど、バラエティ番組を中心にテレビへ出演し始めたのだ。お天気お姉さんもやった。TBSのオールスター感謝祭で名だたるタレントたちに混じって、赤坂ミニマラソンを走ったこともあったそうだ。
当時のテレビ番組出演時の映像をどこかの誰かがYouTubeにアップしているものがあるのだが、それを見ると、今の葉那子さんよりかなりテンションが高いことに気づく。
「事務所のマネージャーからのアドバイスというか業務命令で、『声のトーンを2トーン上げて』と言われていました。1トーンでは足りないと。
一応、女子大生として出演していたので、『キャピキャピ感を出して』とも毎回言われました。ないんですけどね、自分には(笑)」
普段の雰囲気とテレビ出演時の雰囲気が大きく異なる芸能人の話を耳にすることがあるが、ここにもその小さな一例があったのだった。
ラジオNIKKEIのトレーダー向け番組「夜トレ!」に初出演!
2010年3月、葉那子さんは慶応大学を卒業した。学生兼タレントからタレント活動一本の日々となっていく。
そんななか、仕事の1つとして2010年8月に初出演したのがラジオNIKKEIのトレーダー向け番組「夜トレ!」(当初の名称は「夜のトレード酒場」)だ。
これが葉那子さんとFXとの最初の出会いだった。そして、ZAiとの出会いでもあったのだ。夜トレ!のその回は「ZAiラジオ」と銘打たれた番組だったのである。ちなみに記者もその番組には出演していた。
「夜トレ!に出させてもらったのは、おそらく経済学部ということで、ある程度経済の知識はあるだろうということだったと思うんです。
でも、実際の番組はFXの専門用語ばかりで個人投資家や元ディーラーの方々の話に全然ついていけませんでした。
番組中はほとんどしゃべれなかったですね。ラジオなのに(笑)」
トレーダー向け番組「夜トレ!」に出演し始めたものの、FXの専門用語が難しく、「話に全然ついていけなかった」と話す。
最初の夜トレ!の印象を葉那子さんはこう語るが、これには少し注釈が必要かもしれない。
というのは、このときの番組は先に挙げた参考記事のとおり、「iPhone&iPad」をメインに取り上げており、普段の夜トレ!よりもトレード色が薄いものだったのだ。
また、夜トレ!はラジオ番組ではあるが、ユーストリーム(Ustream)でも同時放送され、ネットで映像も流される。しゃべれなくても、ユーストリームで葉那子さんの姿は映っていたわけだ。
ラジオでしゃべらなかったらリスナーにとっては本当に存在していないも同然だが、ユーストリームなら一応そうではない。
夜トレ!は週1回の番組だが、その後、葉那子さんはおおよそ月に2~3回ほどこの番組に出演するようになった。FXの専門用語についていけなかったというのは、おそらくその初期の頃の話だろう。
「選べるHIGH・LOW」企画で優勝!
夜トレ!はFXプライムbyGMO提供の番組だが、番組に何度か出演するうち、葉那子さんはFXプライムbyGMOの「選べるHIGH・LOW」を使った企画に参加することになった。
2013年3月現在の「選べるHIGH・LOW」は1日に200回以上も取引機会がある短期決着型のバイナリーオプションとなっているが、葉那子さんが企画に参加した当時は、月曜日のレートと金曜日のレートを比べて、どちらがどれだけ円安になっているか、円高になっているかを予想するものだった。
1週間かけて結果が出る、割と長いスパンのバイナリーオプションだったのである。
【参考記事】
●バイナリーオプションおすすめ比較! BOのおすすめ口座を国内の全サービスを比較して紹介
この1週間かけて結果が出る「選べるHIGH・LOW」を葉那子さんを含む5人の女性タレントがやって成績を競う企画が夜トレ!で行われたのだった。
「上がるか、下がるかを当てるだけで、特に知識も必要なく、完全にカンでやっていました。
FXプライムbyGMOの高野やすのりさん(同社チーフ・ストラテジスト)が『来週はECBの会合があるから動くかも』とか『雇用統計があるから危ないよ』といったことを解説してくれるのですが、『何を言ってるんだろう? ECBって何?』みたいな感じでした(笑)」
そんなふうによくわからないまま、完全にカンでやっていた「選べるHIGH・LOW」企画だったが、「HIGH・LOWガールズ」と名づけられた5人の女性の中で葉那子さんは優勝したのである。
「まぐれで優勝したのですが、優勝したので2010年の年末に夜トレ!の特別番組でパーソナリティをやらせてもらえました」
一人の出演者として番組に出演するだけでなく、パーソナリティまでやったのなら、この時点で葉那子さんのFXに関する知識はある程度、深まっていたのだろうか?
「でも、番組内容はFXじゃなくて、女子会だったんです。『選べるHIGH・LOW』の話はしましたが、基本的にはただ、女の子とまったりしゃべる番組でした」
この段階でも、彼女はFXにさほど興味がなかったのだ。
トレーダー向け番組の「夜トレ!」でパーソナリティをやるまでになった葉那子さんだったが、それでもまだFXにはさほど興味がなかったという。
「さまよえる葉那子」はどうなってしまうのか?
この頃、葉那子さんには危機が訪れていた。
タレントの仕事が減ってきたのだ。
仕事が週に1回か2回という状況になってしまったのである。
それには大学を卒業し、「女子大生タレント」から「単なるタレント」になった影響もあったようだ。タレントとしての葉那子さんに「女子大生」という付加価値がなくなってしまったのである。さらに「自分のやる気がなかった」ことに問題があったのだろうと葉那子さんは自己分析する。
「テレビの仕事は楽しかったし、仕事があればありがたくやっていたんですが、かといって執着はなかったんです。
『私、出たいです!』という意欲がないのもあって、事務所はダメだと思ったんじゃないでしょうか。
事務所としても100人育てて、ローラが1人出ればいいみたいな世界なので、たぶん私は“損切り”されたんですね。
その頃は仕事がないので、普通にバイトを探しました。マンションのモデルルームの受付などをやっていました」
次第にタレントの仕事がなくなってきた葉那子さんはアルバイトを探すようになってしまった。
芸能事務所を辞めたり、また入ったり、就活をやりかかっていたのに芸能事務所に入ったり、かと思ったらタレントの仕事がなくなってきてアルバイト……。
葉那子さんにこの頃の話を聞いていると、「さまよえる葉那子」というフレーズが浮かんできた。
タレントの仕事が減ってきた「さまよえる葉那子」はこのあと、いったいどうしたのか?
(「葉那子が本気で挑む『FX道!』特別編(3) ミス慶応はなぜFXトレーダーを目指すのか」へつづく)
(取材・文/ザイFX!編集部・井口稔 撮影/和田佳久)
これ以降はいつものように、葉那子さん本人による前週のトレード報告を掲載します(ザイFX!編集部)。
【葉那子のトレード報告2013年2月25日(月)~3月1日(金)】
0勝1敗
負けトレード:ユーロ/米ドル -15.7pips(-720円)
合計収支:-720円
口座残高:9万2987円
先週は2月26日(火)にユーロ/米ドルのショートをしたのですが、20pipsほど順行した後に反転してロスカットになりました。
安値を更新したところで入ったのですが、その後、3月1日(金)に再び安値を更新するまではもみ合いの展開でした。
そして、肝心の金曜日のブレイクの時には入れず…。
大きな流れは合っていても、なかなか結果には表れないのがもどかしいですね。
(葉那子)
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