■ドラギ総裁とユーロ/米ドル下落リスクの拡大!
米ドル/円が一時94円台を回復し、英ポンド/米ドルは3月7日(木)に1.4969ドルまで下落するなど、米ドル高傾向が鮮明になる中、特に注目なのはユーロ/米ドルです。
今週(3月4日~)のユーロ/米ドルは、上値を徐々に切り下げてきていますが、1.3000ドル近辺で下げ渋っています。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
マーケットが待っているのは、3月7日(木)のECB(欧州中央銀行)による政策金利決定会合後に行われるドラギECB総裁の記者会見です。
多くの中央銀行総裁の中でも、ドラギECB総裁のコメントは影響力絶大であり、2012年の「Believe me(信じてくれ)」発言をきっかけに、ユーロ/米ドルが急反発したことは記憶に新しいところです。
【参考記事】
●ドラギ総裁の「Believe me」は本当か?ユーロの行方はECB理事会の発言次第!(2012年8月2日、西原宏一)
■ユーロの行方はドラギECB総裁の会見次第!
2013年に入ってからも、彼のコメントによりユーロの方向性が大きく左右されるため、3月7日(木)の彼のコメントに注目が集まっているわけです。
まず、政策金利については、据え置きがコンセンサスとなっています(ブルームバーグの市場調査によれば、ECBの利下げ予測をしているのは、61名中5名だけのようです)。
ドラギECB総裁の会見では、ユーロ圏の景気低迷を踏まえ、追加緩和を示唆する可能性が高く、そうなるとユーロ安要因となります。
ただ、イタリア政局の混乱について、彼が「ユーロを守る」という点を強調した場合、一時的にユーロが反発する可能性があるため、短期筋もリスクを落として彼の会見を待っているといったところ。
とはいえ、ドル・インデックスが示すように、全体的な米ドル高の流れの中、ユーロ/米ドルの上値は限定的になる可能性が濃厚でしょう。
一目均衡表の日足でも「三役逆転」(※)しているユーロ/米ドルは、下値を拡大する可能性が高まっています。
(※編集部注:一目均衡表の売りシグナルとなるパターンのこと。転換線が基準線を下抜け+ローソク足が雲を下抜け+遅行線がローソク足を下抜けた状態)
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
何より、3月7日(木)のドラギECB総裁の会見に注目です。
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