■豪ドル/米ドルの1.0600ドルの壁
コモディティの急落を受け、今週(4月15日~)の豪ドルは急落しました。
一時、1.0584ドルまで上昇していた豪ドル/米ドルは、一転して1.0269ドルまで反落。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
105.45円まで急騰していた豪ドル/円は、一時98.75円まで急落しました。
対ユーロでも豪ドルは下落しており、ユーロ/豪ドルはユーロ高・豪ドル安が進み、一時、1.2740ドルまで急騰と、主要通貨に対して豪ドルは軒並み下落しています。
黒田日銀総裁の「異次元緩和」により続伸した豪ドル/円の影響で、豪ドル/米ドルは一時、1.05ドル台後半まで高騰しましたが、今回も1.0600ドルがブレイクできない展開でした。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 週足)
マーケットではRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])が、このところの豪ドル/米ドルの上昇を懸念しており、commercialベース(※)での豪ドル/米ドルの売りをマーケットに頻繁に持ち込んでいて、そのフローが豪ドル/米ドルの1.06ドルをキャップしているのではないかとの懸念も広がってきています。
(※編集部注:「commercial」とは「Non-comercial」(投機筋)ではない実需の取引を指す言葉)
■10年間続いた金の強気相場は終了か?
加えて、友人によれば、今回の「円安相場」においての豪ドル投信は「解約」が目立つとのこと。
リーマンショック以降、久しぶりの100円台を回復した豪ドル/円に対して、投資信託の顧客からのフローは、「やれやれ」の豪ドル売りの模様。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)
もっとも、日銀の「異次元緩和」により米ドル/円が100円を超えて上昇する公算が濃厚ですので、対円である豪ドル/円に関しては上値余地は大きいのですが、豪ドル/米ドルに関しては、前述のコモディティの不安定さもあって、上値が1.0600ドル近辺でキャップされる可能性が濃厚でしょう。
ゴールドに関しては、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長のジム・オニール氏は「金は10年間続いた強気相場が終了」とコメントしているようで、引き続き神経質な展開が続きそうです。
「金は長期的な天井を付けた」としたうえで、「15日の安値から当面、値を戻すかもしれないが、さらに売りを浴びてもおかしくない」と述べた。
オニール氏は、金がどこまで下げる可能性があるか具体的には示さなかった。だが、12日と15日の急落のため、投資家が金の安全資産としての地位について、より神経質になる可能性が高いという。
「状況が良好であれば、人々が非流動的資産に対し強気となるのは極めて簡単だ。だが、需給の力関係がすでに変わっていたのに、人々はそれが起きるまで気づかなかった。もっと早い時期に金が売りを浴びなかったのは意外だった」という。
(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル)
5月に向けて、コモディティと豪ドル/米ドルの動向に注目です。
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