■NYダウ連日最高値更新! 米国は景気回復ムード!
米国がすっかり景気回復ムードに入っています。NYダウは、連日、史上最高値を更新。今年(2013年)に入って、ほぼ一本調子で上昇しており、年初来で16%の上昇となっています。

(出所:米国FXCM)
また、長期金利の上昇も鮮明となっており、10年物米長期国債の利回りは、5月2日(木)には1.62%まで下落していましたが、その後上昇をはじめ、2%近くに接近しています。

(出所:CQG)
これは、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融緩和の縮小を示唆したことが要因です。一般的に、金融引締めにより長期金利が上昇する局面では、株式市場は下落しやすい。しかし、景気拡大局面においては、長期金利が上昇すると同時に株価も上昇するという現象が起きます。
まさに現在の状況がそれに当たります。こうした傾向は、今後も続く可能性が高いとみています。
■家計債務がサブプライム以前の水準まで減少!
最近の経済指標を見ると、米国経済が好調であることがさまざまな角度から現れてきています。雇用統計のような主要指標は、当然重要視されていますが、今回はそれ以外の指標で、普段あまり注目されない指標を1つ紹介したいと思います。
NY連銀が発表した第1四半期(1~3月期)の米家計債務残高は、11兆2000億ドルと前期比で1%減少し、2006年以来の低水準となりました。
ちなみに、リーマンショック直後の2008年第3四半期は、12兆7000億ドルでした。家計の債務残高が減少していくことは、今後、家計消費が拡大する可能性を示唆するものです。
リーマンショックの問題点としては、企業のみでなく、家計に大きなダメージを与えたことが指摘されてきました。家計債務が拡大したことで、言ってみれば、個人部門に大きな不良債権を抱えてしまったわけです。
米国の場合、GDPに対する消費が占める割合は7割程度と、先進国で最も高い割合です。したがって、個人の債務問題は景気全体にも大きな影響を与えます。
今回、家計部門の債務が2007年に発生したサブプライムローン・ショック以前の水準に戻ったということは朗報です。
■日経平均は1万6000~7000円まで上昇する可能性も!
こうした米国経済の好調さは世界経済全体を牽引し、日本経済もその恩恵にあずかることは言うまでもありません。
日経平均は、年初来すでに40%以上の上昇を見せていますが、まだ、上昇する余地は残されていると考えておいたほうが良いでしょう。今後、1万6000円、あるいは1万7000円が見られるかもしれません。

(出所:株マップ.com)
■米ドル/円は105円、さらには110円も視野に!
為替市場では、懸案であったG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)においても、「日本の現在の金融緩和は、デフレ脱却を目的としたもので、意図的に円安に誘導しているものではない」ということで一応の理解が得られました。
このことで、1ドル105円、さらには110円が視野に入ってきたと考えています。ただ、米財務長官が「円安が意図的でないか、今後注視していく」と発言していることは少し注意を要します。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
さらに、もう1点の懸念は、日本の長期金利が急上昇していることです。
デフレ脱却を期待しての上昇であると考えられますが、勢いがつき過ぎるとさらなる金利の急騰を誘発するかもしれません。そのときはもう一度、先行きを精査する必要が出てくるでしょう。

(出所:CQG)
■豪ドル/米ドルに注目。米ドル買いが合理的な選択!
その他、米ドル/円以外で注目したいのが、豪ドル/米ドルの動きです。豪ドル/米ドルのチャートを見てみると、4月11日(木)に、1.0582ドルの戻り高値をつけてからは一転して下落。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
重要なサポートラインとされていた3月4日(月)の安値1.0115ドルを下抜けると下げ足を速め、本日5月16日(木)には、一時0.9879ドルまで売り込まれています。
豪州が利下げをした一方で、米国が量的緩和を縮小するという観測が強まっている現在の環境では、豪ドルに下落圧力がかかってくるのは当然です。事実、米国の有名なヘッジファンド・マネージャーをはじめ、多くの市場関係者も豪ドルの下落を予想しています。
そうなると、せっかく全体的に円安が進んでいても、豪ドル/円ではあまり、その恩恵を受けられないということになってしまいます。それは、NZドル/円も同様です。
となると、世界で唯一と言って良いほどの金融引き締め期待がある米国の通貨、つまり「米ドルを買う」というのが、最も合理的な選択になるわけです。
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