■米ドル/円は105円、さらには110円も視野に!
為替市場では、懸案であったG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)においても、「日本の現在の金融緩和は、デフレ脱却を目的としたもので、意図的に円安に誘導しているものではない」ということで一応の理解が得られました。
このことで、1ドル105円、さらには110円が視野に入ってきたと考えています。ただ、米財務長官が「円安が意図的でないか、今後注視していく」と発言していることは少し注意を要します。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
さらに、もう1点の懸念は、日本の長期金利が急上昇していることです。
デフレ脱却を期待しての上昇であると考えられますが、勢いがつき過ぎるとさらなる金利の急騰を誘発するかもしれません。そのときはもう一度、先行きを精査する必要が出てくるでしょう。
(出所:CQG)
■豪ドル/米ドルに注目。米ドル買いが合理的な選択!
その他、米ドル/円以外で注目したいのが、豪ドル/米ドルの動きです。豪ドル/米ドルのチャートを見てみると、4月11日(木)に、1.0582ドルの戻り高値をつけてからは一転して下落。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
重要なサポートラインとされていた3月4日(月)の安値1.0115ドルを下抜けると下げ足を速め、本日5月16日(木)には、一時0.9879ドルまで売り込まれています。
豪州が利下げをした一方で、米国が量的緩和を縮小するという観測が強まっている現在の環境では、豪ドルに下落圧力がかかってくるのは当然です。事実、米国の有名なヘッジファンド・マネージャーをはじめ、多くの市場関係者も豪ドルの下落を予想しています。
そうなると、せっかく全体的に円安が進んでいても、豪ドル/円ではあまり、その恩恵を受けられないということになってしまいます。それは、NZドル/円も同様です。
となると、世界で唯一と言って良いほどの金融引き締め期待がある米国の通貨、つまり「米ドルを買う」というのが、最も合理的な選択になるわけです。
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