昨日のアジア時間では動意に欠いたまま、ドル円は101円台に乗せてきて、やや強いのかなと思わせながらの欧州入りとなった。材料は少ない。積極的なポジションの積み増しも見られない。ユーロドルもポンドドルもすべてドルの高いゾーンで張り付いている感じなので、順方向、すなわちトレンドの方向には進みにくい状況が明らかとなっている。
新規にドル買いの材料が出てくるか、もしくはそれまでの高値や安値といったテクニカルポイントをブレークでもしてこないと、なかなかドルがさらに上がるということには結びつかない。かといってドルロングの投げもあまり出てこない。だから相場がいっそうのこう着感に包まれてしまうのかもしれない。
私もユーロドルでショート攻めしたい気持ちでいっぱいなのだが、やはりこれだけ動きが鈍いとショートカバーの方が怖いために、素直に売っていけないのも事実。ちょっとでも上げ基調が確認されれば、そのショートカバーについていきたいとすら思える感じだ。
欧州時間では手が出ないまま。ドル円もユーロドルもほとんど動かない。しかしニューヨーク時間になると、IMFの世界経済見通しが出てきて、世界経済もアメリカ経済も成長率が下方修正された。これは株価の調整になるかなと思って、私はさっそくドル円を売り込んだ。101.16だったが、ドル円はさっぱり下がらなかった。
その一方でユーロ円はバリバリ落ちている。なんとユーロドルが急落をしているのだ。前日の安値であった1.2812レベルをも下回ってきたので、ストップロスも誘発しての下げなのだろう。ドル円だけ落ちなくて、完全なクロス円の下げとなっている。ドル円は101円台を一度も割れない。ああ、通貨ペアの選択ミスだった。
こうなるとユーロ円などが戻るときに率先してドル円が買われるのではないかという恐れが出てくる。私はドル円を買い戻すことに決定。ポジションをスクエアに戻して、もう一度、相場への入り場を探る。ユーロドルは1.27台にまで突入し、久しぶりのレベルだ。
そ してユーロの買い戻しもほとんど起こらず、ユーロ円も1円ほども押し込まれた129円台の前半で動かなくなった。私は寝てしまったが、夜中にイタリアの格下げもあったようだが、そこからのユーロ売りは30ポイント程度のものであった。米国株も下げ基調になりかけたが、やはり場中には株買いが優勢となったので、リスクオフからのユーロ売りはセーブされたようである。
それでもユーロドルは先月の安値であった1.2796を下回って来たのは事実。そして今年の最安値が4月につけた1.2746なのだが、すでにそこまでは完全に射程に入ってきている。アジア時間での安値は1.2765付近まで。ドルは緩和縮小の流れでタイトニングの方向、そしてユーロはドラギ総裁の発言の通りで緩和継続。ユーロドルが売られやすい環境が整っている。
今年の上半期はドル円が為替相場での関心の的だった分だけ、ユーロの動向は手薄となっていた。その分だけ偏ったポジションも残っていない感じがする。だからユーロドルが今年の最安値を更新してきたら、たとえ時間をかけても相当な深押しをしても不思議ではないのではない。
アジア時間の午後からは株安が進んで、ややリスク回避。昨日、あれだけ動かなったドル円も100円台の前半まで押し込まれた。私も下げ止まりに注意しながらも、ショートで攻め続けた。昨日、儲けられなかった分を少しだけ取り戻したような気分だ。 欧州時間ではショートカバー優勢でユーロドルは1.28台にまで戻しているが、今晩はFOMCの議事録公表とバーナンキ議長のスピーチがある。ここ1カ月間での言ってきたことの繰り返しになるだろうと思われるが、それを契機にユーロドルの下げが再開されるのかもしれない。
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