昨日の欧州序盤は98円台に乗せたところから始まった。日本株が堅調に推移したので、ややリスクテークに傾いたという感じ。しかし今週に入ってからは、私も珍しくドル円のロング攻めばかりしている。どうもショートにしたくないのだ。
ファンダメンタルズ的な側面からはリスク回避が進んでもいいのだが、どうも8月中旬のお盆休みではドル円でショートに振りたくないからだ。これは2000年までのお盆休みでの展開と大きく異なってきているここ10年近くの動きがものを言っている。
以前はお盆休みで輸出企業が売れればいいなベースで、当面の1週間分くらいの外貨売り注文を出してくる。それはおおよそ年後半までの4か月分くらいの先物予約を含んでいる。そして売れずに相場のほうがお盆休み中に下がってしまうというもの。
それを1980年代の後半から繰り返していたのだから、8月はドル円が下がる、もしくは円高になるものだというイメージが、我々古いトレーダーにはこびりつくこととなった。そのまま21世紀になったのだが、どうも今世紀に入ってからはワークしない。8月に作ったドル円ショートはロスカットさせられるのだ。
毎年、そうした状態が続いてしまえば、もう8月にドル円やユーロ円でショートにしようなどとは考えない。むしろ「8月は上がる」というのであれば、積極的にロングで攻めるべきであろうと考え直すのに、さして時間はかからない。
ちなみに去年は7月末にドラギ総裁の「何でもやる」発言のフォローがあったので、それが特殊要因ではあるけれども、やはり8月はドル円上昇。株価も高くて、純然たるリスクテークの展開になったことは記憶に新しい。
昨日の海外市場ではトピックの中心は中東情勢であったエジプトでの騒動で死者の数が100人をこえたというもの。またニューヨーク序盤ではエジプト政府から非常事態が宣言されて、そちらのほうに注目が集まった。為替相場では直接的にダイナミックに反応は見られなかった。ニューヨーク時間での値幅は、ドル円で30ポイント、ユーロドルで20ポイントという、極めて小さいものだった。
そうしたなかでも、いつもならばニューヨークの午後から切り返して、結局は歴史的な最高値を維持してきた米国株が、昨日は珍しく、安値引け。さすがに紛争の問題ではリスク回避の必要性を無視できないということだろうか。
私は中東情勢が悪化するとは思っていないが、米国株がそうなった以上はドル円かユーロ円を売らねばと思い、リスクオフに賭けることにした。今日のアジア時間の午前中にドル円は98円台を回復する局面もあったので、98.06で売ってたみた。もちろん、昨日のように激しく持っていかれるかもしれないので、タイトストップで臨む。ストップ注文は98.25にプレース。
ドル円が97円台のミドルまで押し込まれているが、ちょっと利食いを我慢。できればアメリカの景況感のデータが出るまで持っていたいものだ。センチメント指数はエンパイアとフィリーでダブルで出てくる。
良い結果が期待されているようなので、予想と同じか、悪かった場合には痛烈な一撃となるだろう。ドル円は96円台に突入するかもしれない。いうまでもなく98円ちょうどに乗せてくれば、私の我慢作戦は失敗だったということで買い戻すことにする(笑)。
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