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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

ロシアの態度で中東情勢は悪化、
ドル円ショートで外部環境を要ウォッチ

2013年09月09日(月)15:22公開 (2013年09月09日(月)15:22更新)
持田有紀子

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 さて金曜日は雇用統計。夕方にはドル円は99円台のミドルで取引されており、指標までは大きく動きそうもない。99円台の後半や100円乗せを何度か売っていた私としては、99円台の中盤から売り込んでいくのはためらわれる。 そもそも下がっても下限は99.40-50あたりかなぁと思っているからだ。それだけドル円の腰は強い。仕方がないので、発表直前まで何もしないことにして体力温存することにした。

 出る前に戻ってくると、ドル円は対してレベルが変わらないが、ユーロドルが重い足取りを見せている。1.30台に突入したいような動きである。私も売りたい感じがしてきた。しかしここまで我慢したのだから、せめて数字が出てから売ろう。そのときにはすでに1.3065とかでも構わない。私はユーロドルの成り行き売りのスタンバイをして、指標を待った。

 雇用統計の数字が出た。私は為替レートを見ているので忙しいので、内容を確認しているわけにはいかない。ファーストアクションはドルも株価も上がった。たぶんこれは失業率か就業者数が良かったのかも。そう思ったが、米国債が急反発している。あれだけ長期金利の上昇で懸念されていた長期債が、である。私の見方としては株価やドルは前後に振れやすいものとしており、素直に方向性を示すのは債券価格だと思っている。だから確かめてはいないが、なにがしら悪い数字も含まれていてのことなのだろうと判断した。

 それではと、ドル円でも売りにいこうかと思ったら、すでに99円台の前半まで落ちている。完全に週の安値レベルだ。一瞬、売るのをためらったからに違いない。ひるんでいると98円台にも突入。しまった~、売りそびれてしまった。ユーロドルはさぞや高いだろうと思って見てみると、それほども上がっていない。ようやく腰を落ち着けて雇用統計の内容を確認した。

 就業者数は予想よりも悪くて16万人台の増加に留まっていたが、失業率は7.3%で良かった。なんとも言えない状況だ。これだけから雇用環境が改善しているとか、悪化しているとか判断のつきにくいものだ。仕方がないから債券相場に従うしかない。長期金利は低下傾向を維持している。こうなったらドル円の戻り売りスタンスで、しばらく待つことにした。

 ドル円は99円台に戻ってきて、やっと売ってもいいかなというレベルまで上がってきたとき、ロシアのプーチン大統領がシリア支援の方針を打ち出した。これで東情勢の不透明感が一気に増大した。雇用統計ではあまり下がらなかった株価も、このステージでは急落に向かい、ドルも売り込まれた。どれンは98.60あたりまで差し込んだ。

 さすがに2回目に99円ちょうどを割り込んだときには私もトレンドフォローで売り込むことができたが、なかなかにチョッピーでショートキープしづらい。結局は15ポイントほどしか取れなかった。その後のニューヨーク時間は99円台を回復して、小動きとなった。

 週明けの早朝はオリンピックの東京開催が決定したこともあって、ドル円が上昇、そして株価もジャンプして始まった。日本だけのリスクテークであり、グローベックスでの米国株などはあまり反応していないので、すぐに時間切れになるだろうと予想された。事実、東京市場の序盤で日経先物が高値の14380円を付けた後はさっぱり。ズルズルと利食い売りに押されるのみで、相場の展開としてはまさしくリスク回避。私も朝こそは躊躇したが、今度はドル円を99.88で売っていくことができた。

 今晩は経済イベントがほとんどないが、政治や軍事でひと波乱ありそうだ。先週末の雇用統計の結果による緩和縮小がどうなるのか、またはシリア情勢はどうなっていくのか。下院での可決が微妙になってしまっているオバマ大統領。国民に向けてスピーチするというが、それが広く受け入れられるものなのか。東京市場が五輪のご祝儀ムードだっただけに、要ウォッチである。


日本時間 15時00分

 


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