昨日もアジア時間の終わりごろにかけて円売りが優勢となった。ドル円は97円台に乗せてきて、なんとなく堅調そうに見える。値幅はそれほども動いていないのに、97円台に戻ったということだけで、ものすごく強く見えるのだ。それだけ為替相場の動きが鈍くなってきているということだろう。
ニューヨーク時間に入るまでは大きな材料も出てこないだろうと思って見ていたので、私はちょっと遠くのレベルであるドル円で97.50、ユーロ円で132.50でオファーを置いてだけいた。売れればいいやといった軽い気持ちで。でもクロス円の上昇はそこまでだった。ユーロ円は132円台に乗せるのがやっとで、それ以上は伸びなかった。ドル円も97.25あたりまでで、それから先はまったく上がらなかった。
グロベックスでは米国株は安いには安いが、突っ走るという感じでもない。貿易収支は発表が延期。そしてIMFが世界経済見通しを出したが、成長率は下方修正された。それでよりアメリカ政府のシャットダウンの行方に関心が集まったのだが、議会の要人の発言は従来と同じ。それでもマーケットの参加者の多くは、どうせ何とか妥協するに決まっていると楽観しているので、値動きには敏感に反応はしない。
日付けが変わった頃になってオバマ大統領が「下院とは交渉しない」と発言した。これも従来と変わらない内容なのだが、米国株が大きくリスク外しに向かうこととなった。米国株が大きく値を崩していく過程でも、ドル円の下げはそれほどでもない。
やっとドル円96円台になっているだけで、とても追随売りしていけるような勢いはなかった。株価が安いだけあって、リスクオフの観点からクロス円は下げがきつい。ユーロ円は50ポイントほども下げたが、それでもたかだかそこまでである。131円台は割れなかった。
私はちょっとマーケットに入りそびれてしまったが、基本姿勢は同じである。ドル円かユーロ円の戻りを売っていくことだ。株価に強烈な下げが見られるならば、リスク重視でユーロ円を売るつもりだ。財政問題に絡めて米国債の値動きに過剰の反応がある場合は、素直にドルストレートの売りだ。ただしアジア時間には梯子を外される可能性が高いので、自分のポジションを作る時間帯からは外しておくことにする。
昨日のニューヨーククローズの間際では米国株は一段安を喫して安値引けを被っていたので、そのままリスク回避で臨もうかと考えていた。でもアジア時間は避けるつもりで夕方を待つつもりでいた。なにしろ、東京勢は連日のようにバーゲンハンターモードになっている(笑)。
早朝にイエレン氏が次期のFRB議長に指名されることになったとの報道が出たが、さして驚くほどの人選でもないはずだった。しかしアメリカを包んでいる不透明感のうち、ひとつがなくなったということで、東京市場ではかなりリスクテークの流れが強まっている。ドル円は昨日の高値であった97.24を越えてきたし、日経先物も14000円台の大台を回復したりしてきている。
そもそもイエレン氏は金融緩和の継続に積極的な人で、ハト派だとされている。ドルの観点からすれば、ドル安要因の話のはずである。ドル円をこのまま買っていっていいものかどうかに実に懐疑的にならざるをえないところでもある。このイエレン人事については、なおも海外の判断を待たねばならないだろう。
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